N木病院。噂では、もともと精神科だったらしい。たしか3階建てだったと思うが、秘密の地下室があるという。俺は3人で面白半分で地下室を探すことにした。もし、何かを見たりしても、その場では絶対に言わないこと、を約束し中に入った。とりあえず3階まで上がって1階まで戻ってきたら、出口が無くなってた。というよりは、見つからなかった。
しかし、どう考えてもおかしい。入ってきたときと同じルートで帰ってきてるし、風景もいくらか違う。草木はそんなに生えていなかったはずなのに、窓の外を見る限り、俺達と同じぐらいの高さの草があった。
まさか、地下室周辺にきたのか?
もう一度同じルートで屋上まで上がることにした。そして1階についたら、出口があった。入ってきたときと変わらない風景で。たぶん3人とも、さっきのはなんだったんだろう?と思ったと思う。車に戻ってしばらくしてから、みんなが気になってたことに、話題が集中。
そしたら、1人の子が、
「実は、俺達が病院に入ってから、ずーっと女の人がついて来てた。マジで怖かったから、言おうと思ったけど、みんながパニクルからかなり我慢してた」もしかしたら、本当に地下室までたどりついてしまったのでは・・・
現場を探し当て、正面からのアタックを考えたが・・・。民家が近くにある。病院までは道がちゃんとあるのだが、我々の姿が一目瞭然!粗方の目星を付け後側の山林へと回る。雑木が辺りを覆い付くし目的の病院が判らない。一本の道を見付け進むと・・・建物が木々の間から見える!!目的の病院が見付かった!そのまま進み裏側からの進入となった。
院内を散策していると、考えていた光景と違っていた。あまりにも綺麗に片付けられている。ゴミ一つ無い状態なのである。果たして噂の在る廃病院はここで良いのだろうか?胸中俄かに不安がよぎる!!しかし、発見当初の病院を見た時は、先人の方々が訪れている画像を思い出し間違いは無い。画像では工事用のネットは張り巡されてはいたが・・・。ここで間違いは無い筈。そんな疑念を抱きながらも散策を続行した。
一階から二階へ・・・そして三階、屋上へ!!ものの見事に綺麗である。設備等の物も無い。
在るのはかつての面影だけだ。
地下室の存在も探したが見当たらなかった。地下へと続く階段も無かった。もしかしたら、外に有る貯水槽の事だろうか?何やら地中にあり、現在も口を開け危険な事だと言う。もし訪れる際は気を付けてもらいたい。
しかし、訪れた時期が6月中頃。当地の売買が決まり、新所有者の方が居ます。そして、既に工事も始まっており、今ではその病院の姿を見れないかも知れません・・・・
作者悠太加