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長編8
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不審火

俺の実家がアパートをやっているんですけど、

そのアパートってのは昭和50年代後半に建てられたもので、

何度かリフォームを重ねているのではごく普通の外見です。

同じ建家が二つ建っているんですよ。

その真ん中には、3メートルぐらいある花壇が建物と建物の間にあるんです。

で、向こう側に突き抜けていけないようにUターンしている通路がついてるんですよ。

ところが、向こう側にある建物ってのはうちと関係のない人が持っているわけ。

おんなじ物が建っているんだよね。

で、俺が昔にそこの管理人室で住んだ事があるんですけど、

向こう側のうちとは関係ないほうのSさんて言うお宅がやっているアパートがあるんだけど、

その二階のわりと端っこに住んでいるちょとヤンキーぽいトラックのあんちゃんがいたのよ。

そのあんちゃんの所から火が出たらしいんだ。

俺がたまたま仕事から帰ってきたら消防車がわんさかきてるわけ。

俺はあまりにもすごいからびっくりして、家ん中飛び込んでいったんだよね。

周りの男性に聞いてみたんだ

俺「ど、どうしたんすか?火事?」

男性「いや~ちょっとよくわかんないだよね~

   ちょっと、そこ見てみなさいよ消防士たちが変なことしてるでしょ?」

よくみたら、マンホールのフタを開けて中に入ってんだよ。

俺「何やってんですか?」

て消防士に聞いてみたんだ。

消防士「いや、ちょっとこの中に火が・・・」

俺「え?マンホールのなかに火はねーだろ」

て言ったら、

消防士「いや、いや、事情があるんで後で話しますが、お宅は?」

俺「自分は向かい側の管理人室に居るものなんだけど」

消防士「あーそうなんですか。

     えーと、一応ここに集合に下水管がねお宅側とSさん側が集合になっているんで、たちあってもらえ     ますかね?」

俺「いや、だから何がおこったのよ?」

消防士が言うには、ある部屋のいしつの風呂場からシンナーを流したと、

シンナーを流したあと何らかの形で火が引火したらしいと、

それで、もしかしたらすると配管の中に火が走り込んでいる可能性があるので、それで確認しているらしいんだ。

俺はなおさらびっくりして、どこの部屋だと思って見たら、Mrヤンキーが住んでいる部屋だったのよ。

その次の日かなんかに、その本人がね俺んちに菓子おりもって「いやーなんか迷惑かけました。」て挨拶に来たわけよ。

俺も初めて本人と直接話をしたんだけど、

なんかちょっと悪い感じでもなくてさ、

俺は本人に言ってみたんだ。

俺「大変だったよね。な、何があった?」

Mrヤンキー「いや~これはただ事じゃないいんすよ。」

俺「ただ事じゃないのは見てわかるし、それになんで風呂場にシンナーを?」

Mrヤンキー「それは、俺じゃないんすよー」

仮にそいつをAとしておこう。

事情を聞いてみたら、

Mrヤンキーのところにたまに遊びに来る黒いクーペーの車が遊びに来てたわけよ。

俺も何度か見たことがあるんだ。

で、Aがある日Mrヤンキーのところへ遊びに来たんだと、

いきなりAが部屋の中に入ってこたつの中で泣き出したんだって。

Mrヤンキーが「な、なんだよ」て言ったら、

A「実は女に振られて女と別れたんだ。」

て言うんだって。

そう言うもんだから、Mrヤンキーは「まーちょっとげんきだせや。ドライブに行こうや」て言ってAの肩をぽんと叩いて、二人で外に出たんだって。

それで、行った先ってのは有名な支笏湖なのよ。

夜中に、支笏湖に行ったわけだ。

今は観光スポットには缶ビールが売ってるのはないじゃない?

でも当時はね観光地じゃなくても普通に缶ビールの自動販売機があったんだよ。

そこで景気ずけにと言って、

Mrヤンキーが「ビールでも飲もうぜ」て言ったら、

Aが「いや、俺はいいよ」と言ったと、

A「今は飲んでる気分じゃないし」

Mrヤンキー「そうか?」て言って、

そいつもお調子者だから振られた本人をほったらかしにして「ガブガブ」ビールを飲んだらしいんだよね。

そしたら、酒が入っちゃって勢いがついちゃったもんだから、

Mrヤンキーが「おい、帰りに俺に運転させてくれよ。」て言って、

運転を変わったらしいんだよ。

そしたら、たまたま検問をやっていたんだって。

そこで結局は飲酒をしていたから、酩酊運転になっちゃて運転していたMrヤンキーは地元の警察に拘留させられちゃったんだよ。

当時って今みたいに一緒に乗ってたら同罪ですよ、て言う法律はなかったから、

「とりあえずあんたは帰りなさい」って警察が言って、車の持ち主であるAはその場で警察署から別れたらしいんだけど、

そっからが問題で、この男ね普通だったら自分の家に帰るだろ?

なのに、一人でMrヤンキーの家に帰ってきちゃたんだって。

そこで何をやったかと言うと、

こいつね元々ペンキの職人らしくてどっから持ってきたのかわからんけど、

一斗缶のラッカーシンナーを車の後ろに置いてたらしくて、

それをMrヤンキーの部屋に持ち込んでアンパンを始めたらしいんだ。

本人が二日間拘留されて家に帰ってきたわけだ、Mrヤンキーが

帰ってきたらAの車が外に止まっているって言うんだよ。

俺もそれを知ってたの。

「あれ?ずっと止まってるな」て思ってたんだ。

だから、「車借りてるのかなー」て思ってたわけ。

で、Mrヤンキーが「おい、居るのかー?」て言って帰ってきたら、

部屋の中がすごい臭いんだって。

ようは、シンナーの匂いだよね?

Mrヤンキー「なんだよ、この匂い!」て言って入ってきたら、

リビングでAが死んでたんだって。

なんで死んだかって言うと、シンナーをコップに入れて何杯も飲んだあとがあるらしくて、

シンナーを飲んでしまうと、胃がびらんを起こしちゃって大量の吐血をするんだよ。

そのへんを血の海にしてたらしくて、

そこでMrヤンキーがなにをしたかって言うと、

ここで人が死んでいる、救急車や警察を呼ばなくちゃいけないのに、ここにシンナーがあったらまずいと思ったらしく、

風呂にシンナーを「ボッコン、ボッコン、ボッコン」て流したらしくて、

そのあと自分がシンナーまみれになちゃって死体であるAも触ちゃったもんで、

死体をそのままににして110番もしないで、風呂に入ろうと思ったんだって。

昔の風呂釜だからさ今みたいにきゅうどうきが外にあって、て言うんじゃないんだよね?

昔のだから、水色のほうろうの風呂桶があって、その横に吸い付けのガス釜がついてて火を着けるときに「バッチン、バッチン」て何回かやってのぞき窓からたれ火を確認して「ボッ」と回すタイプのやつなんだよ。

で、ぞき窓からたれ火を確認して「ボッ」と回した瞬間に「ボーン!」て音がして今流したシンナーに火が走ったんだって。

あまりにもびっくりしたから毛布を持ってきて火を消そうとしたら、逆に毛布に火が引火して、死んでいるAをまたいで、火をついている毛布を開けている窓に投げ捨てて、

その様子を見てた周りの人に110番されちゃったわけだよ。

で、警察や消防車、救急車が来て大変なことになちゃったんだよな。

それで、事件の結末はここで終わりになるんだけど、

そのあとさ、そこって大変な部屋になちゃったわけじゃない?

いっきに事故物件になちゃったわけよ。

こんなこと言うと俺だって一言二言会話かわした人間だったからこんな言い方するのもなんだけど、

それはちょっと、気味のいいところじゃないよ。

そしてある晩にMrヤンキーがうちに遊びに来たわけよ。

俺が「どうしたの?」て言ったら、

Mrヤンキーが「ビール買ってきたんで一緒にどうかとおもって」

俺「どうぞ」

て言って、中に入れて「じゃあいただきます」て言って、飲み始めたんだよ。

なんか、どうしてもMrヤンキーが二人に見えるんだよね。

俺はMrヤンキーに言ったんだ

俺「だ、大丈夫?あの部屋住んでて」

Mrヤンキー「え、どどう言う意味すか?あ、」

俺「何?どうしたの?」

Mrヤンキー「え、うん、いや、大丈夫て言ったら大丈夫なのかな~」

俺「どうした?」

Mrヤンキー「俺あの部屋にいていいんすかねー」

俺「いや、できればこんなこと言いたくないけど、あんなことあった部屋だしちょっと考えてみたほうがいいよ  ね」

Mrヤンキー「やっぱりそう思います?!」

俺「そう思うよ」

Mrヤンキー「俺もあの部屋でたら大丈夫かなー?大丈夫かな?」

俺「え、何が大丈夫なの?」

Mrヤンキー「え、いや、俺いっつもやつがそばにいるんすよね」

で、さっき二人に見えたのはみま間違いじゃなかったんだなーて思ったのよ。

俺「やつが一緒にいるってどう言う事?」

Mrヤンキー「例えばなんすけど、俺がベットで寝るじゃないですか?ベットの中に入ってから何分しないうち        に俺の背中に違うやつの背中が合わさるんすよ」

俺「それは、お祓いとかしたほうがいいんじゃない?」

Mrヤンキー「やっぱそうすよね?!」

て言いながら帰っていったんだよね。

その何日かたって、仕事から帰ってきたらMrヤンキーが一生懸命トラックに荷物を運んでいるんだよね。

「あ、引っ越すんじゃん」思ってMrヤンキーに聞いてみたんだ。

俺「なに、引越しきまったの?

Mrヤンキー「あ、はい、おかげさまで」

俺「どこに行くの?」

Mrヤンキー「親元に行くことにしたんすよ」

俺「それのほうがいいよねー」

それで、なんかずっと言ってんだよね、

俺はてっきり何人か手伝いが来てるのかなと思い、カーテンから見るとMrヤンキーひとりだけだったんだよ。

よく聞いてみると

Mrヤンキー「わかったよ、大丈夫だよ、大丈夫、置いていかねーよ」

「うわー俺は聞かないことにしてもらうわ」と思い無視したんだよ。

そのあと40分後に挨拶しに来たんだよ。

Mrヤンキー「俺もう行きますんで何かあったらまたお願いします。」

俺「いや、なんもねーから大丈夫だよ」

Mrヤンキー「いろいろありがとうございました。そんじゃ、さようなら。」

て言いながら行ったんだよ。

二日後にそのMrヤンキーが新聞に載ったんだ

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親元には帰らなかったんだよね。

ある山の中に行ってシンナーかぶって火をつけたんだよ。

結局、その男もなくなちゃったわけよ。

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話し口調がとてもリアルだ

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