初投稿です。
私自身は霊感とかないのですが、友人たちの何人か
が体験してます。
その中のひとつを書いていきます。
早朝の病院
朝は助手さんとかいないから夜勤の看護師がお茶の用意をしなくてはならなかった。
その病棟では患者が触ったら危険ということで、食事が上がってくる専用のエレベーターホールの中で湯を沸かすことになっていた。
エレベーターホールに入るにはカードキーを使わないとロックが外れない仕組みになっている。
その日、看護師3人で夜勤をしていた。その中で一番若い看護師(C子)が朝に間に合うように4時くらいに湯を沸かしに行った。
カードキーでエレベーターホールへ入室。
給湯器に水を入れている途中で入り口の扉が閉まる、筈だった。何かを感知して自動ドアが再び開いた。C子は先輩が何か伝えにきたのかと思って近づき見回すが誰もいないし、先輩たちはガラス越しに見えるナースステーションにいるみたいだった。
変だなと思いつつも作業を続ける。間もなく今度は普通に扉が閉まりロックがかかる音がカチャリ。
給湯器二つ目にお湯を入れているときにエレベーターから物音が、
最初C子は給食部がもう活動始めたのか?と考えたがちょっと時間早すぎる。それに音も少し不自然で違和感を覚えはじめた。普通のエレベーターの機械音じゃなくて妙にギシギシいってる感じ。見たらエレベーターは一階にあるままで動いていない。
C子は手早くスイッチを入れてエレベーターホールから出ようとした。
カードキーを使うがいつもの「ピッ」という音がせず、開かない。
何で?どうして?バグなの?えっ?嘘でしょう??
C子はちょっと焦り何度もカードキーをかざすが全く感知してくれない。
そこで気付いてしまった。エレベーターからギシギシする音が段々大きくなってきている。まるでエレベーターを普通に使わずよじ登ってきているみたいに感じた。
C子は業務用携帯で先輩へコールしてみた。しかし2人の先輩へかけるが出るのは「おかけ直しください」の表示。
C子はもう我慢できなくなり扉を叩いて「開かないんです!開けてください!!」と叫んだ。その間もギシギシという音はどんどん近づいてくるような気がした。
何分そうしていたか分からないが、突然「ピッ」と音がして扉が開く。目の前には先輩の1人。
半泣きで立つ後輩の姿を見て先輩は
「えっ?なんか時間掛かってたけど、どうしたの?」
「せんぱーい!開かなかったんですよ!!閉じ込められちゃいました!」
「えっそうだったの?連絡してよ」
「通じなかったんですよね‥先輩お二人で電話してたんですか?」
「え、してないよ」
「しかもエレベーター変な音するし怖かったです」
そこで先輩とエレベーターを確認するが、何の音もしなくなっていた。
後で先輩にきくとあれだけ叫んで扉を叩いたのに先輩には全く聞こえなかったらしい。
ナースステーションにいたら聞こえないかもしれないが、C子は先輩が扉を開ける直前までやっていたのだ。それが聞こえないのはどういうことだろうか。
普段、エレベーターホールで食事が届くと聞こえるのに。
あの時、先輩が来てくれなかったらC子は何かと会っていたのだろうか。
C子はそれ以来、お茶の準備は暗いときにはやらないようにしている。
エレベーターホールには電気がないから何もなくても確かに怖い。
作者みちる
病院実話。