これは昔私が友人から聞いた話です。
とある男子大学生二人がネットで密かに話題になっていたサイトの話で盛り上がっていました。
そのサイトは「見たら自殺してしまうサイト」という曰く付きのものでした。
オカルト系の話が大好物だった二人は、つい軽い気持ちでそのサイトを見てしまったそうです。
サイト自体は至ってシンプルなものでした。
よくある自分の家族との日常を紹介しているブログでした。
サイトのあらゆる所を調べて見ましたが特にホラー的なものが感じられる部分もありませんでした。
サイトを見終わった後も二人共特に異常が見られる訳でもなかったので「ただのガセネタだ」という事で笑い話でその日は終わりました。
しかし、それから3日後。
一人が首を吊って自殺してしまいました。
残されたもう一人の大学生は焦りました。
「自分もこのままでは自殺してしまうんじゃないか」と考えたからです。
悩んだ末に彼はあのサイトを徹底的に調べあげました。
そしてついに彼は見つけました。
そのサイトでは何故か無音の音声ファイルが再生されていたのです。
調べた結果それが無音ではなく「人間に聞こえない周波数」つまり何か人に聞こえない音を流しているという事だけ解りました。
「もしかしたらこの音声ファイルが影響しているのではないか?」と彼は考えました。
しかしそれを調べる術が彼には思いつきませんでした。
まさか「聞くと自殺したくなるかもしれない音声ファイルを一緒に調べてほしい」なんて誰にも頼めなかったからです。
いつの間にか友人が死んでから2週間が経っていました。
「友人は自殺したのに自分は生きている、何故なんだ、知りたい・・・」
そして彼は思い切った手段に出ました。
まず自作のコミュニケーションサイトを作り、人を集めました。
そしてある程度人が集まった所で密かにサイトであの音声ファイルを流すようにしたのです。
つまりそれは「もしその時点から異様なほど人が減りだしたら「本物」」という、イカれた手段でした。
しかし彼は自分で初めてしまったその恐ろしい行為に耐えられなくなってしまいました。
ある日彼のコミュニケーションサイトのTOPに管理人からのメッセージが掲載されました。
その内容は、今まで自分が何をやってきたのかについてが事細かに説明されていました。
そう、つまりは今ここまでに書いてきた文章とだいたい同じような内容のものが掲載されていたのです。
そしてメッセージは「この件に巻き込んでしまった皆様にはどんなに誤っても許されるとは思っていません。本当にすみませんでした」という謝罪の言葉で締めくくられていました。
それから数日後にサイトは閉鎖されてしまいました。
彼はその後どうしているのか?
またそのサイトで音声ファイルを聞いてしまった人達がどうなったのか?
誰もが気になる所でしょうが残念ながらそれは不明です。
後味の悪い終わり方かもしれませんがここまで読んで下さってありがとうございました。
ところでさっきから何か変な音が聞こえたりはしていませんでしょうか?
あ、いやすみません。
聞こえるはずがありませんでしたね。
作者バケオ
ありがとうございました