ある大学生グループが廃病院を訪れた。肝試しをしようということになったのだ。
はじめは意気揚々としていた彼らだったが、いざ廃病院に着くと、気が挫けてしまった。山の上に建つ廃病院は外観から見ても異様な雰囲気を放っており、不気味であったからだ。
肝試しは中止しようという話も出たのだが、ある女の子だけは「せっかく来たのにもったいない」と言い、何と彼女は1人で病院に行くことにしたのである。
懐中電灯を片手に廃病院へと入る。中も荒れ果てており、床には医療器具やカルテなどが散乱していたが、これといって変わった様子はない。彼女は1階から順に見て回り、最後は屋上へと向かった。
屋上へと来た彼女は、地上で待っている仲間に向かって「おーい。ここまで来たよー」と手を振った。
その様子を見た仲間達は悲鳴を上げた。
手を降っている彼女の背後から、何十という白い腕が伸びてきて手を振っていたからである…。
作者まめのすけ。