ある日、A君は家に帰ると知らないゲームがありました。
ゲーム名は「意地悪ゲーム」。
題名からして面白そうだと思ったA君はランドセルを置き、すぐにゲームを始めました。
【コンニチハ。コレカラアナタハ「イジワルナセカイ」ノセカイイチイジワルヒーローニナリマス。タトエバ、ゴウトウヲイッショウデラレナイメイロニイレサセタリ…。オモシロイデショウ?ヤッテミタイ?ヤッテミタカッタラ、「ハイ」ヲオシテネ。ナニガアッテモトリケシハデキナイヨ。】
A君は、「ハイ」を押しました。
【ソレハソレハウレシイデス。ナカマガフエルナンテ…。タノシミデス。デハ、ナマエヲキメテクダサイ。タダシ、ホンミョウヲイレルトイヤナコトガアルカモシレマセン。ソレデモイイノナラホンミョウヲイレテイイデス。】
(変なの。)
A君は本名を入れてみました。
ゲームが始まりました。
そこでは、自分がヒーローになる。という面白いゲームです。
「迷路で世界を救う」感じです。
強盗がコンビニにやってきた場合には、丸ボタンを押すと強盗の周りはいつのまにか白い世界になっていて、迷路になっているんです。
しかし、その迷路は一生出ることができません。
「あはははは!」
A君はヒーローです。
ある日、A君はコンビニに行きました。なんとなく、万引きをしてみたい。と思いました。
万引きをしました。
店員にも客にもバレていなさそうです。
でも、違和感を覚えました。
Aくんの周りが白くなっているのです!
目の前には文字が出て来ました。
【キミハ、「イジワルナセカイ」ノヒーロー。デモ、イママンビキヲシタネ。ダカラキミニモメイロニサンカシテモラウヨ。モチロン、イッショウデラレナイ。デルコトガデキルノハボクノショウタイガワカッタヒトダケ。ワカルカナ?】
A君はそれっきり家に帰る事はありませんでした。
作者もちこ