今日は。
under takerです。
最近は結構忙しくしております。
夏より、冬が忙しいと言われている僕の業界ですが、やはり人の命は待った無しですね。関係ないです。
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今回は今までの投稿と趣向を変えて、『よくある怖い話』をしようと思います。
仕事柄、細々としたプチ怖い話があります。
よろしければお付き合い下さい。
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①その日も病院から連絡が入り、お迎えつきのエンゼルケアをするため出向いた。
ここで言う『お迎え』とは、病院から故人さんを連れて帰ると言う意味だ。帰るために迎えに行く、と言う。
最近は専ら、この仕事が僕の任されている仕事だった。
男の力が必要な仕事なので、早く場慣れをさせたい会社の意向。
病院で、家族と会い、涙ながらに、でも気丈に話をしてくれる家族に僕はどこに連れて帰るのかを聞く。
大体の人はやはり家に連れて帰りたいと言うが、稀にそれが叶わない家族もいる。
この家族もそうだった。
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僕の出来ることは、弊社の安置室に送る事。
家族の了解を得て、ケア終了後、家族と一緒に自社へ。
はっきり言って、安置する瞬間はあまり家族に見られたくない。
大の大人を二人がかりであっちへこっちへ移し変える。汗はダラダラ、時には力が足りずやや乱暴になってしまう時もある。
そんな事があるので、家族には少し待ってもらって、安置室で専用の台車に移し変え、ドライアイスを当てようと顔に掛けてあった布を取り払った時!
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目が開いてる…
エンゼルケアをした時には必ず目を閉じて口を閉じるものだが、
この人はさっきまで閉じていた目が開いてる…
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冷静に考えたら、運転中の揺れで開いてしまったのだろう。もしくは、移動させた時の衝撃か。
しかし、亡くなった方の目というのは、生きてる時と比べて、あっという間に水分は無くなり、瞼とくっついてしまう為、あまり開く事なんてないんだけどな……。
亡くなってしまうと、いきなり全く光が無く、濁った様になってしまう。あまり直視はできない。したくない。
目が合うと、ちょっと怖い。
僕はそっと瞼を閉じてあげた。
素直に目をつむり、安らかなお顔に戻ってくれた。
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②その日も仕事を終えて、帰宅する。
何だか今日は妙に疲れた…早く帰ってゴロゴロしたい。
倦怠感が体を包む。ため息が多い。
ちょっとボーッとする。
いけない。運転中なのに、危ない。
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ただいま、と呟きながら玄関に入ると、彼女が出迎えてくれた。
が、一目見るなり、
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彼女―何連れてきてんの~…
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と僕の肩を払う。
連れつきてる?なんの事でしょうか。。
彼女―うん、まぁ大丈夫かな。
早くご飯食べよう~
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踵を返し部屋に入る彼女。
怖くてそれ以上の追求は出来ない。
心なしか、倦怠感が軽くなってるのは気にしない。
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③夜中。
電話が鳴り、仕事が入る。
弊社では皆で交代して会社に寝泊まりし、夜中の連絡にも対応している。その日も僕は泊まりで、寝ていた最中に電話で起こされた。
こんな時間の電話なんて、病院以外ない。
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この日は社長と出向。
小さい会社だから、社長自らよく働く。
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病院に着いて、看護師さんに案内されて病室へ。
家族に挨拶をしていざ、ケア開始。
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女性の様だが…顔色が酷く悪い。
黄色と言うか、黄土色みたいな。
社長―なんか、ヤバイな。ゴム手ちゃんとしろよ。
僕―はい。
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コンコン。
誰か来た。
僕―はい。
看護師さんだ。
看護師―失礼しますね、ちょっとまだ…多分血が出てると思うんで…止血だけ。
社長―あ、ありがとうございます。でも、それくらいなら我々でやりますよ?看護師さん忙しいし。
看護師―いえ、この患者さん、ちょっと…危ないんで。
僕―危ない?
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shake
看護師―ええ、あんまり、個人情報なんでね、大きな声では言えないんだけど…
この患者さん、B型肝炎なんですよ。
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看護師さんに止血してもらい、ゴム手の他にマスクを2重にし、
いつもはしないビニールエプロンまでしてケアをしたのは言うまでもない。
幸い、血液や便が付いたりすることはなかった。
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今回は、このへんで。
作者under takar
あまり怖くは無いかもしれません。
でも日常的なプチ怖いを思い出して書きました。
感想など頂けたら嬉しいです。