初めて投稿します。
友達が実際に体験した話ですが、各地に似たような話をみたことがあるので、怖くないかも知れません。
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なお、ユタの修行場は、沖縄の若者が心霊スポットと呼んでる場所ではありますが、
ユタの修行場とは、聖域であって人が踏み入れてはいけない場所であること。
なので、場所は特定されないように伏せさせて頂きます。
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詮索してまで行きたいと思う方は…
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呼ばれてるかもしれません。
お気をつけて。
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数年前、男友達のユウジが体験した話。
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その日は、夏真っ盛りの蒸し暑い夜で
先輩含めた男だけの数人集まって宅飲みしていたそうです。
給料日前の金欠メンバー
キャバクラに流れたくても金が無い。
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「どーする?もう酒も無いけど?」
「はー、買いに行くか?」
「じゃあ!ユタの修行場に行かん?」
と、誰かが言いだした。
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ユタとは、霊能者、祈祷師、霊媒師、簡単に言えばシャーマンを沖縄ではユタと呼ぶ。
ユタは、その力を高める為に聖域と呼ばれる場所に行き修行をするらしいのだ。
そこは悪霊から色んな成仏できない霊が集まり俗に言う『心霊スポット』である。
沖縄の数箇所にそのような場所があり、霊を鎮める為の修行なのか、いつからかユタの修行場と呼ばれるようになった。
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「おぉ!いいねー!行こう行こう!」
酒の勢いもあって先輩が言いだした。
「マジ?面白そう!!」
他の奴ものってきた。
「あそこはヤバイですって!」
ユウジは乗り気じゃないから反論するも
「あー?ビビってるば?」
と言う先輩に何も言えず。
酒を飲んでないユウジが親の車を借りて運転し、肝試しへ行く事になった。
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沖縄は昔唯一の陸上戦があった場所なので、正直、全域殺人現場なわけですよ。
そして、今から行く場所は、いくら霊能力が強くても気がおかしくなり廃人になるユタが後を絶たないと言う噂の場所。
それだけ苦しみ悲しみ憎しみ悔しみ色んな助けを求める彷徨う霊が多いのでしょう。
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車で到着するも草が腰ほど生い茂り時間も深夜であった為、一瞬躊躇するメンバー
外灯も無く月灯りの下。
蛙、虫の声、鳩の鳴く声、生暖かい風が薄気味悪さを増長させてるようだった。
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暗さに目が慣れてくると一本の獣道らしき道を見つけた。
「あれ!道じゃね?」
「おー!行こう行こう!」
男数人、縦に並び草を掻き分けて進み始めた
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暫く進むと道が二手に分かれている。
「これ、どうする?どっち?」
「二手に分かれて進む?」
「…そうだなー、行き止まりだったら引き返してココに戻ってこようぜ!」
「了解!」
ここで人数を分けて二手に分かれる事になったユウジと先輩達。
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進み始めて暫くすると風も吹いてないのに草むらがザザっと騒ついた。
ビビるユウジ達
気がつけば虫の声すら聴こえない。
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ふと振り返ると、そこに白髪の白装束を着た小さな老婆が立っていた。
「うぉあ!」
「わぁー!」
噂で聞いていたけど、突然の出現にビックリする一同だが、やはりユタの修行場なので、ユタだと思ったらしい。
「おばぁー!いきなり出てくるからビックリしたやしぇ!」
「おばぁユタねー?(おばあちゃん、ユタなの?)」
そう声掛けたが返事せず
「おばぁ?」
「おばぁ大丈夫ねー?」
黙り続けるお婆さん。
ユウジ達は疑問に思いながら、ユタのお婆さんを無視して先へ進もうとした。
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「行くな!!!」
shake
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突然、目の前にユタのお婆さんが立ち塞がった。
「えっえっ!?」
先ほど後方にいたはずなのに??
ユウジ達はプチ脳内パニック
しかし、お婆さんは続ける
「これ以上、進んではいけんよ。」
「…行くな!」
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ユウジは後方に居たお婆さんがどうやって移動したのか一瞬後方を振り返り
再びお婆さん問いかけようとした
「おばぁー、なっ…アレ?」
「?!」
一緒にいた友人も同様、周りを見渡してお婆さんを探す。
突然、煙のようにお婆さんはいなくなって居た。
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ユウジ達はゾクリと背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。
周りは腰ほどの草むらが生い茂るだけ、隠れる場所も無ければ、人が通れば草分ける音がするはず。
虫の声すら聴こえない、不気味な暗闇の静けさがユウジ達を包む
何か目に見えないモノが迫ってくるような嫌な感じがした。
とりあえず、慌てて忠告通り先に進まず戻ろう!と言う事になった。
これ以上はヤバイと思ったそうだ。
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無事、分岐点に着くと同時に
「うわァ〜!!おォおー!」
と雄叫びと共に先輩達一同が登場
何事かと聞くと
「白髪のおばぁーが!」
「スーって!!」
「行くなって!」
「ユタのおばぁーがぁぁあ!」
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もう意味不明。(汗)
「ちょ!落ち着いて!」
ユウジ達、先輩達を落ち着かせる。
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どうも話を要約するとユウジ達がお婆さんに出会った頃、先輩も出会っていたらしい。
そして同じく「これ以上先に行くな!」と引き止められ、目の前で消えたと言うのだ。
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これ以上は危険だろう。
意見が一致したところで全員で車に乗り込み家路を急いだ。
現場から遠のく内に、先ほどの出来事を何だったのか皆で話し合った。
そして、全員の顔面蒼白だったのを笑い、お婆さんが怖かった等と凄い体験したなぁ〜!と車内で大盛り上がり。
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誰もが俺はビビって無かったし〜と強がり笑いあった。
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ところが、ちょうど帰路の途中で日が明けてきた頃、そんな笑い声も消える。
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「ひっっ!」
shake
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空が明るくなり、太陽の日が車内を明るく包む。
と、同時に。
窓ガラスに無数の手形も浮かび上がってきたのだ。
絶句する一同。
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思わずユウジ
「これ親父の車なんだよ!消さないとヤバイって!」
我に返った先輩。
「とりあえず、スタンドに行って消そう」
他のメンバーも頷く。
近場のスタンドに入り布巾を借りて全員で窓ガラスの手形を消す作業に取り掛かった。
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ところが
「ちょ!これ消えないけど!」
「何で消えない!」
いくら拭いても消えない手形
大人の男であろう大きい手形から、赤ちゃんほどの小さな手形、大小様々な手形が、フロントガラス、サイド、バック、窓と言う窓に覆い尽くすようにベタベタとついている。
「なんだよこれー!」
発狂しそうになるユウジ。
そこで1人がある行動をとる。
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ドアを開け、窓ガラスを
内側から拭いた
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すると手形が消えたのだ。
全員の顔に戦慄が走った…
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内側からの手形だったのだ。
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「…だいたい誰が最初にユタの修行場に行こうって言ったば?」
先輩が言った。
そこにいるメンバー全員が言った。
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「……え?先輩でしょ?」
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友人は、その後の事を詳しく言いたがらないが、そのユタの修行場に行こうとする友人がいればこの話をして必死で止めるのでした。
あの場所へ誰が言い出したか。
あのお婆さんは誰だったのか。
手形は、いつからあったものなのか。
謎である。
作者Hana
ご回覧ありがとうございます。
ベタな話ですが、実話です。
人数については誰と行ったか正確な人数を教えて貰わなかったのであやふやにしてます。
ちなみに友人の名前は仮名です