music:4
それは冬が終わったばかりの春、まだ冷たい風が吹く時だった。
「うぅ…さっぶ…」
北国の朝はとてつもなく寒い、布団から出るのも一苦労だ。
寝癖だらけのぐしゃぐしゃな髪のまま、俺は居間の座布団にどかっと座った。
ふと、ついていたテレビを見ると俺の通っている学校についてのニュースが流れる。
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[○○高校、生徒行方不明か!?]
「行方不明…?」
俺は珍しくニュースを長々と見た、内容はタイトルのまんま。
ただ、気になった言葉がある。
「シロミミ?なんだそりゃw」
シロミミ、この地域に住みついている化け物。目撃者はいるものの、その特徴は謎に包まれていると言う。
「んなもんいるわけねぇだろアホらしww」
俺は1人で朝飯にがっつくと、適当に食器洗ってしっかりと身支度し、家を出た。
無論、ニュースは全部見ていないぜw
「いってきまーす!よっしゃ!今日はイベント特にないし、春花のバカでもいじりますかw」
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…あの時ニュースをきちんと見ていれば、俺は人前で泣くことはなかったんだ…
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[行方不明となったのは崎谷七海さん、松岡修子さん…
鎌村春花さんの5名です。]
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学校にはコンビニで買い物から行った。ガムを噛んで登校する強者もいたが、俺はそこまで校則を破る男ではない…でも口が寂しかったのでグレープのグミを噛んで登校した。
無論遅刻だw遅刻届けを書いて
担任に渡し、席につく。
まぁいわゆるチャラ男だな俺はw
前の席ではこのクラス2番目の真面目、上田さんが不機嫌そうに今日の授業の予習をしている。あいつwまた日直を上田さんに丸投げする気かw
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しばらくこのクラスはベラベラと話していたが、担任の喝が入った。
「静かに!!今から大事な話をします!!」
5分位立って静かになると、担任が話し始めた…くだらんwその話なら朝ニュースで見てきたわw
俺は昼休みまで寝ようとすると、あることに気がついた。
「そういや…春花は今日休みなんだな。なんか知ってるか?」
そう隣にいる奴に話しかけてみる、そいつは面白そうに返答した。
「なんか春花も行方不明者の中に入ってるらしいぞ。まぁあいつのことだからすぐに顔を出すんじゃないか?」
「………ま、そうだよなwハハハw」
俺はそう言って笑う反面、少し不安になった。
春花…すぐに見つかるよな。
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学校は起こされたりしたけどほぼ全部の授業寝て過ごしたのであっさり終わったw
「お疲れー!w」
掃除をほっぽうりだした奴もいたが、俺たちはダッシュで学校を出た!とっと帰るぞ!
そう思って玄関に出ると、俺はその日聞くはずのない単語を聞いた。
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裡「春花ごめんね、狭いよね…w」
「!?」
俺は自称かもしれないが、人一倍耳が良い。駐車場からその声を聞いた。校門に出て、駐車場を、こっそりのぞく。
見ると、そこには上田さんがいる。彼女はサブバックを取り出すと、中から薄い毛布にくるまれたものを取り出した。
毛布をめくると、そこに真っ白なウサギが顔を出す。彼女はサブバックから切った人参の入った袋を取り出すと、人参を出してウサギに食わせた。
裡「春花ごめんね、狭かったよね。
薄い毛布にしてみたけど、大丈夫だった?」
気のせいかもしれないが、ウサギはコクリと頷いた。
裡「そう、よかった!」
ウサギに向かって話しかける上田さんを見ていると、一瞬ウサギが春花に見えた。
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「そのウサギが春花だって?」
気がつくと俺は彼女に話しかけていた、そこに春花がいると思い込んで。
彼女は驚いて焦り出す。
裡「槍坂笹雄さん!?ごめんなさいごめんなさい!ペットを持ち込んでることは秘密に」
焦り過ぎてフルネームになってるぞ…w
笹雄「いや言わねぇよwただ…詳しい話を聞かせてもらえないか?」
彼女から聞けたのはあるはずのないカフェで起きた恐ろしい出来事、ウサギの化け物、ウサギとなって喰われたクラスメート…裡とこのウサギ、春花はその事件の生き残りだと言う。
裡「…アハハ、信じてないですよね。こんなおとぎ話なんて…槍坂さん?」
急に涙が出てきた、まだ彼女の話を信じていないのに本当な気がした。
ウサギを抱いて泣き出してしまった。涙の後が風で冷えて冷たい…
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裡「あ、ちょ、これどうぞ!」
彼女はポケットから大きなハンカチを取り出し、俺の空いた手に置いた。
笹雄「ハンカチでけぇよ…w ぐすっ…」
彼女の大きなハンカチの活躍で、俺の涙はあっさりと止まった。
笹雄「上田さんの言うこと信じるよ、俺も調べてみる!」
裡「ありがとうございます、でも手掛かりが何もないですよ?」
笹雄「適当に調べればなんとかなるさ、なんかわかったら明日教えるよ!」
裡「あ、はい!」
そう言って、俺は珍しく寄り道なしでダッシュで家に帰った。
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家について自分の部屋に行き、荷物を放り出すと、俺は机についてパソコンを起動した。
笹雄「………(カチカチ)」
色々なサイトをサーフィンする、
気になった情報はコピペして別ページのメモにまとめた。
笹雄「根本的な何かがねぇな…」
それに何か忘れてる気がする、なにか重要なことを…
その時
music:3
俺は机についたまま金縛りにあった、その場から動けない。声も出ない。
笹雄「(なっ…!?)」
マウスが手についたまま勝手に動きだし、手が勝手にタイピングし、あるサイトにたどり着いた。
でも…それはサイトと言えるのか?俺は慣れているからいいが、サイトじゅうにウサギの死体の写真がびっしりと貼ってある。
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笹雄「(なんなんだよこれ!?)」
消したくても手の自由が効かない、見たくなくても目や首が動かない。
次の瞬間、背後に違和感を感じた。振り向こうとしても振り向けない。
トンッ
笹雄「(!!!)」
肩に違和感を感じたかと思うと、
sound:5
急にパソコンの電源が切れて俺の姿を映し出した。
俺の肩には異常なまでに真っ白な手が置かれている、その手を置いている者、そいつを例えるならそれは…
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sound:33
ド……レタベ……タイ!?
やばい…こいつはやばい!
笹雄「ん!!!あ!!!」
声が出ない喉を無理矢理使って声を出すと、
sound:14
金縛りが急に解けて椅子ごと後ろに倒れた!
笹雄「痛ってーな!!…あ!あいつは!?」
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music:4
辺りを探してみたが、そんな奴はいなかった。それにパソコンの電源も消えてなんかいなかった。
笹雄「よかった…いなくなったよう(ズキっ!)」
急に肩に痛みがはしった、ちょうどあいつに掴まれた部位だ。
まさかと思い、俺は洗面所に行って鏡を見てみた。
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見ると、肩には手の形に真っ赤な跡がついている。
作者ハピナ
どうも!へたっぴ代表選手です!
(∩´∀`)∩
前の作品とだいぶ間があいちゃったな…
σ(^_^;)
一気に修正なしでガーッと書いたんで
へたっぴ代表選手間違いなしの文章です!
(ノ≧∀)ノ
どうか暖かい目で見てくださいなw
(๑′ᴗ‵๑)