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追憶・第1夜〖屋上の女〗

短編2
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追憶・第1夜〖屋上の女〗

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俺の名前は蜜蜂、皆からは「みっくん」と呼ばれている。俺には、霊感というものが皆無といっていいほど無い。しかし、そんな俺でもたま~に心霊体験に出会う時がある。ここで、俺の数少ない貴重な心霊体験話をする事にしよう。

これは、俺が小学生の時の話だ。俺が通っていた小学校があるのは東北の田舎町で、俺の家からは30分の距離に建っていた。小学生にとっては長い距離だったので、よくヘトヘトになって帰ったものだ。

当時、俺は小学校のソフト部に所属していて、放課後に校庭で練習に勤しんでいた。

ある日、練習中にふと、校舎の屋上を見るとそこに女性が立っているのに気づいた。校庭から見ても、女性がうつむいていることがわかった。

(誰だろ…先生かな?)

当時から小学校の屋上は危ないということで、屋上の扉は鍵が閉まっていた。

なので、俺は先生が屋上に行ったのだと思った。しかしその女性は、うつむいたまま動かなかった。

(何してんのかな?)

なんて疑問に思っていたら、

「ゴルァァ!何処向いてんだ、練習に集中しろ!」

などと、怒鳴られてしまった。

再び、屋上を見たがもうソコには誰もいなかった。

翌日、俺は偶然会った校長先生にこの話をしてみた。

「校長先生。先生って屋上で何やってるの?」

「あぁ、たまに屋上の方で仕事してるんだよ。」

「昨日もしてたの?」

「?」

「昨日、放課後に屋上で女の人見たよ!あれ先生じゃないの?」

すると、校長先生は首を傾げて俺に言った。

「ねぇ、その話は本当かい?」

「うん、ホントだよ。」

「う~ん…。それは、あり得んなぁ。何故なら、昨日は私はお昼に帰ったのだけれどね。その時に鍵を持って帰ってしまったんだ。だから、                                         放課後に屋上に行くことはできないんだよ…。」

俺の通っていた小学校で、人が死んだ事実は無い…。

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