序章 三話 親の世代から子への世代へ

中編7
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序章 三話 親の世代から子への世代へ

私の名前は龍一です。

今まで色々な心霊経験をしてきたのですがこの話は最初の恐怖体験でした。

この話は私が小学5年生の時に体験した話です。

克也「あぁ。そうさ 俺は知っているあいつが何者なのかも誰が関わっているのかも何もかもな。」

克也は昨日からの恐ろしい体験の真実を知っていると言う。

私「どっどいうことだよ!?なんでお前が、、、」

克也「お前らの知っている通り俺の親父は今、警視庁で幹部として働いてる。」

克也の親父さんは俺の親父と純の親父と同級生で小学校も同じっていう偶然で、その三人のそれぞれの子供も同じ学校で同級生っていう奇跡。

勉強では純の親父さんが学年トップクラスの成績。平凡の成績なのが俺の親父。そして一番どうしようもなかったのが今警視庁でお偉いさんをやっている克也の親父さん(笑)喧嘩っぱやい人でガキ大将みたいな人だったらしい。

克也「その親父が当時小学生の時に友達だったやつらと一人の生徒を殺してしまったって今バレたらどうなる?」

純「え?その友達だったやつらって僕たちの父さん達のこと?」

克也「そうだ。」

私は親父が人を殺したことがあるのか?今まで一緒に過ごしてきたあの尊敬している親父が人殺し?

私「俺たちの、俺たちの親父たちは人殺しをしたのか?」

克也「いや、事実は違う。だけど何もしてないのかといわれるとそうでもない。」

そして克也は父親から聞いたという話を始めた。

克也が話すので一人称は俺になる。

〜今から30年前の夏〜

俺の親父は崇彦

龍一の親父は英利

純の親父は修一

この三人でいつも行動を共にしていた。俺たちと同じように悪さもしていたらしい(笑)

俺たち小学校には今はほとんどの小学校にあるクラブ活動という伝統的みたいなものがその当時からあった。俺たちの親父は水泳クラブに所属しており県内ではそこそこ有名だった。親父たちが団体戦で小学4年生の時に県大会出場、5年生の時に関東大会出場、これは小学校では最終学年の6年生の時に全国大会に出場できるではないのかという期待もあり、水泳クラブの所属メンバーは全員高揚していた。

親父たちが5年生の時に関東大会に出場した時は、一つ上の学年の先輩が親父たち三人と同レベルの力を持っていた為、関東大会に出場できたのだがその先輩が卒業をしてしまったために大きな枠が一つ空いてしまった。そこでその大きな枠を埋めたのは当時5年生の渡辺直道という生徒だった。

万全の状態で臨んだ最後の大会。

全国大会に出場できる力はあった。その年の全国大会レベルの平均タイムを10秒も上回るタイムを練習で叩き出し自信もついた。

ただ渡辺は黄金時代を築き上げた先輩たちに迷惑をかけないように必死でプレッシャーを毎日感じていた。

そして悲劇は起きた。

渡辺がフォルススタートをしてしまったのだ。フォルススタートとはいわゆるフライングのこと。

もちろん失格なので県大会にも全国大会にも進めなくなってしまった。

もう崇彦、英利、修一は落ち込むどころか渡辺への怒りでいっぱいだった。

渡辺「ほんとにすいませんでした。先輩方の最後の大会なのに。ほんとに。」

崇彦「お前何したかわかってんのか?ざけんなよ?」

英利「怒りおさまんねーわ。お前どうしてやろーか。」

修一「ひとまず学校いこうぜ。渡辺よぉ特訓だよ。基本が出来てねーんだよ。」

渡辺「特訓ですか?こんな時間に!?」

崇彦「あたりめーだろーが!お前のせいで俺たちは県大にも進めねーんだぞ!?」

渡辺「す、すみません!ほんとに!」

英利「とりあえず学校な。覚悟しろよ。」

もう夕方になろうかという時刻に学校にやってきて無理矢理渡辺を泳がした。

陽が落ちても無理矢理泳がした。

三人が少し目を離した時に疲労で渡辺は溺れてしまった。

修一「おいあいつ溺れてるぞ!」

急いで助け出したが渡辺は全身が麻痺してしまい死ぬまで話すこと歩くことや泳ぐこと走ることは出来なくなってしまった。

そして責任矛先は三人に向くことはなかった。水泳クラブの顧問の先生がたまたま学校にいて三人を先に帰らせ救急車を呼んだ。

渡辺は地区予選の失敗を悔やみ学校で練習していた最中に事故にあったこととした。

渡辺は自由を失い、人生に絶望し、病院の屋上から飛び降り自殺をした。動けないのにどうやって飛び降りたのかは30年経った今でもわからないそうだ。

飛び降りた渡辺の目玉は飛び出し、身体は変形をしていたそうだ。想像をするだけで吐きそうな状態だったのは言うまでもない。

克也「これが30年前の悲劇だ。」

私「これが真実なら大変なことだぜ。でもその話と今回の出来事は繋がってないぞ?」

克也「まぁ待てよこの話には続きがあるんだ。この話に出てくる渡辺直道っていう生徒の親が今俺たちの担任の渡辺先生なんだ。しかも自殺した渡辺直道の遺体はこの小学校の校庭に埋めたらしい。」

純「じゃあまさか僕たちが昨日襲われたあの化け物は。。。」

克也「そう。渡辺先生の息子の渡辺直道ってわけだ。」

私「そういうことか。あのヨボヨボばあさんイカれてる。俺たちをどうする気なんだ?俺たちの親父たちがしたことを恨んでるんだよな?」

克也「恨んでることは間違いないさ。息子が死んだ学校に働きにこれるか?異動でも躊躇するぜ普通は、だから何かあるはずなんだ。さっき何でも知ってるって言ったけどここだけはわからない。なぜ直道が目玉を探して俺たちを襲ったのか。一番は死んでる者が何故動き出すのかがさ。」

「それは俺から話すことにしよう」

!?!?

聞き覚えのある声が部屋の外からした。

親父だ。なんで今家にいるんだ?

ガチャ。

私「親父!なんで日本にいるんだよ!?」

父親「ちょっとこっちに大事なクライアントとの仕事が入っててな。話は一通り聞かせてもらったよ。」

克也 純「あっおじさんお邪魔してます!」

父親「久しぶりだな二人とも。お父さんお母さん元気か?」

克也 純「はい!」

父親「そうか。。。

直道には本当に申し訳ないことをしたよ。償っても償いきれない。許されないことを俺たちはしたんだ。渡辺さん、いや先生と呼んだ方がお前たちにわかりやすいよな。渡辺先生はな西洋魔術の一種に手を染めてしまったんだ。遺体をバラバラに切り刻み、憎んでいる相手の顔写真に相手の名前を書くとその名前を書かれた者の祖先と孫の代まで不幸が続く魔術。それを渡辺先生はやったんだ。

お前たちだけではなく将来生まれてくるだろうお前たちの子供にまで迷惑をかけてしまって申し訳ない。」

私「な、なんで渡辺先生がそんな魔術使ったこと親父は知ってるんだよ!?」

父親「先生が俺たちにカミングアウトしたのさ。お前たちは一生、直道の十字架を背負うんだってな。」

克也「おじさん!何かあいつを止める方法はないんですか!?」

父親「あるといえばある。だがその方法をお前たちに教えるわけにはいかない。」

純「どーしてですか!?僕たちは昨日あんなに酷い目にあったのに!龍一なんて家まで着いてこられたんですよ!?」

父親「それについては俺たちがなんとかする。」

私「俺たち?親父以外に誰かいるのか?」

父親「あぁ。今日仕事が片付いたあとに克也と純の親父と会う予定さ。理由は教えられないがね。直道が今後現れることはなくなるがお前たちに不幸が訪れることはどんな手を使っても避けられないんだ。お前たちは強く生きなければならない。それは約束してくれ。」

私「ちょっと何いってるかわからねーよ!俺たちはどうなるの!?」

父親「これから今回と同じような出来事に合う可能性は限りなく高い。だがお前たちは自分を犠牲にしてでも守りたくなる女の子や友達が新たに出来るはずだ。絶対に諦めるんじゃないぞ。」

そう言い残し父親は家を出た。今回と同じような出来事がまた今後起きるのかと思うと寒気が止まらなくなった。

夏休みにこれ以上の恐怖体験を三人は早速経験した。またそれはいつか書き記すことにしよう。

夏休みが明け全校集会が開かれた。

いわゆる夏休み明けの始業式というもの。

担任の渡辺先生が亡くなったそうだ。どう命を落としたのかは詳しくは言われなかったが殺されたという噂が流れた。その噂の出処は職員室で先生方が話してるのを誰かが盗み聞きしたらしい。これにも私たちの親父たちが絡んでいると考えたが親父とは連絡が取れないし確認のしようがないので考えるのをやめた。

月日は流れ私たち三人は小学校を卒業する。

克也「俺さ。親父が通ってた中学校に行こうと思う。俺ちゃっかり受験勉強してたんだよね。その中学校は私立で関西にあるんだ。だからお前らとはしばらく会えないと思う。」

純「そっか。僕と同じだね。僕もお父さんの通ってた中学校に行くんだよ!四国にあるからみんなに会えなくて寂しいよ。」

私「なんだなんだ!お前らもそうなのか?俺の親父の母校の中学校に行こうとしてんだよ!福岡にあるから九州に行って寮に入ってきまーす!」

克也「みんな親父たちの母校に行くのかよ!なんか俺ららしいけどさ!(笑)」

私「じゃあまた会う時までな!なんか恥ずかしいから手紙とか電話はやめようぜ!(笑)」

純「どっかで偶然再会するのも悪くないかも!」

克也「おう!じゃあまたな!」

こうして三人の中学生の物語が始まろうとしていた。

この時はあんな再会するとはこの三人の誰も予想はできなかった。

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