ピピピ!ピピピ!
眩しい、朝陽で目が開けられない。
「おーい!起きろ朝だぞ!」この声は裕太か。
涼介「まだ眠いよお母さん」
裕太「何寝ぼけてるんだよ!早く起きろ!」
龍一「朝から騒がしいなおい」
田崎龍一は地元を離れ九州の福岡にある私立中学に入学した。そこは希望すれば寮で生活できる制度があったので龍一は入寮した。部活はテニス部に入部。
寮は四人一部屋、男と女は同じ棟で階が別になっている。
龍一のルームメイトは海崎裕太、鳴川涼介、菊地一馬。
裕太は同じテニス部で一年生の部長を務めている。責任感が強く、他人に流されない性格である。
涼介はマイペースで何でも面倒くさがりだが中学一年生にしてかなりの女好き。部活はバスケ部にはいってる。
最後に一馬、クラスに一人はいる盛り上げ役、こいつがいるからクラスはいつも明るい。
裕太「今日は朝練ないからっておまえら寝過ぎだぞ。」
龍一「まぁまぁ起きれたからええやん!」
一馬「裕太はお母さんかよ笑」
入学式から二ヶ月が過ぎ、中学校生活に慣れてきた頃であった。
おはよー
朝食を食べる為、続々と食堂に学生が入ってくる。
朝からそんなに食えないんだよなーなんて思いつつ椅子に腰かけた。
「うっわ、朝からアンタの顔見るのきついんですけど。」
龍一「は?」
目の前にいたのは吉村瑠美、同じクラスの気が強い女子である。バスケ部に所属している。
瑠美「朝からご飯まずくなったわーねぇ?由香ー?」
由香「言われてんじゃん田崎笑」
こいつは小池由香、同じテニス部の女子の学年部長。
龍一「はいはいすいませんね。」瑠美には何故か嫌われていた。
そんな感じで二ヶ月過ごしてきた。一日のスケジュールは一時間目から六時間目まで授業を受けて部活動を行っている生徒は19時半まで部活を行い終わり次第夜ご飯を食べる。部活動を行っていない生徒、いわゆる帰宅部は実家通いの生徒だけで寮に入っている生徒は原則部活に入らなければならないことになっている。
部活が終わり夕ご飯を食べて部屋に帰った。
龍一「なぁなんかおれ吉村に嫌われてない?なんか知ってるかー?」
裕太「さぁ俺はよくわからないけど。」
涼介「理由はよくわからんけど瑠美のやついつも龍一の話してるぜー、龍一のここがダメとかここが違うとか笑」
龍一「いつも悪口言われてんのかよ笑」
涼介「まぁ今度さりげなく聞いといてやるよ!」
就寝時間は22時半なのでいつも四人で他愛のない話をしていた。
説明が遅れたが龍一と裕太、一馬は2組で涼介だけ1組だった。学年では6組まであるのでマンモス校と呼ばれることはある。
そろそろ22時半になるのでそろそろ寝る準備をしていた時。
shake
コンコン いきなりドアがノックされた。
ドアに近いのは涼介と裕太。裕太がドアを開き誰かと話している。
裕太「おい龍一お客さんだよ。」
ドアの向こうには由香がいた。
龍一「どうした?もう就寝時間だぞ?」
由香「そんなことわかってるよ!携帯がなくて今探してるの!多分最後にいじってたの理科室だから一緒にいってほしくて。」
龍一「理科室っていったら教棟やん。」
教棟というのは教室棟のことで寮の棟と授業などを行う棟は別棟になっている。もちろん部活が終わる時刻の19時半以降の教室棟の出入りは禁止されている。もちろん中学生の年代は肝試しや夜の学校に忍び込むという事を面白半分でやってしまう事を先生達もわかっているので対策は練ってある。
寮棟と教室棟を繋ぐ渡り廊下がある。そこの渡り廊下には夜間、警備員が見張りとして座っている 。
だがその日は警備員がいなかった。その時点で気づくべきだった。
寮棟と教室棟を繋ぐ渡り廊下は二階で理科室は六階。
龍一「やばい夜の教棟怖すぎじゃん」
由香「ちょっとあんたがこわがってどーすんのよ!」
もちろんこの時間だとエレベーターは動いていない。
龍一「やっと六階だよ。」
そーいや二年前か。あの二人と放課後宿題してて物凄いことに巻き込まれたんだよなー。
由香「ねぇ!聞いてんの!?」
龍一「あ、ごめんごめん!どした?」
由香「理科室着いたんだけど、あれ?私の携帯!」
理科室の扉の前に由香の携帯が落ちていた。
由香「よかったーあったー。」
龍一「よかったやん、さぁ帰るぞーん?」
理科室の中から何かの光が漏れていた。覗き込むと誰かがテレビを見ている様子だった。
龍一「誰かがテレビみてるぞ。」
由香「え!?こんな時間におかしいでしょ。帰ろうよぉー」
龍一「わかったから押すなって!」
shake
ガタン!
由香に背中を押されて理科室のドアに手が当たってしまった。
やばい気づかれたか!?
テレビを見ていた何かの顔がゆっくりとゆっくりとこちらに向けられているのがわかった。
龍一「やばい!逃げるぞ!」
由香の手を握ってダッシュで走った。三階あたりで由香が転んだ。
龍一「何してんだよー。急ぐぞー?」
由香から返答はなかった。
ようやく二階に着いた。
龍一「なんとか逃げられたな!」
由香「ちょっと田崎!どこいってたのよ!」
先に渡り廊下にいたのは由香だった。
なんでだ?じゃあ今俺が手を繋いでいる奴はだれなんだ?手を繋いでいるやつの顔を振り返ってみた。
見たことのない満面の笑みの女がそこにはいた。
作者龍一
久しぶりに投稿させていただきました。相変わらず日本語が下手ですいません。この話は序章親の世代から子の世代への続きの話になっています。今回投稿させていただいた話は怖いところはあまりない話で次回から期待していただければ!
ではまたお会いしましょう!