music:2
wallpaper:652
sound:32
夢の中で家電のベルがなっていた
少しずつ意識がハッキリして時計を見ると
午前4時30分…だった
sound:32
布団の中で目をこする
まだ、ずーとなり続けている
sound:32
「もう…こんなに早くに誰よ」
文句を言いながら布団から出て
電話が置いてあるところまで、ゆっくり歩く
全然、切れる気配はない
「はい」不機嫌に言った
「ママだけど」
母だった
私の声のトーンが変わる
私「どうしたの?こんなに朝、早くに」
母「具合が悪くって………」
私「えー?!」
「どんなふうに?どこか痛いの?」
母「具合が悪いの……」
私「ちょっとママ??」
やだ…もうろうとしてるのかしら
心拍が早くなる
私「パパは?いるんでしょ?」
……………………………?
聞いても、ハッキリしない
ただ、ただ、具合が悪いのと繰り返す
何か変………??
…………………………?
そう、思ったのは母親が具合が悪くてと
何回か繰り返す内に
壊れたテープのように、徐々にスローというか
テープをわざと、ゆっくり回転数を
下げて行くように声が気持ち悪くなって
声のトーンも低くなっていく……
music:6
おかしいよ……!
その内に、明らかにおかしい!と鳥肌が立った
「グ…ワィ…ガ…ワル…イイ〜」
「グゥ…ワァ……イガガ..ワァル...イ」
ママなの??
声が怖い
声が怖いよ ! 泣きそうだ
私「わかったから」「行くから」
母「イイゥ...コォナ...クゥテェ...ェ」
「グウゥワ....イ......ガァ..ワアァ..ルィルイ…
これ以上、聞きたくない
聞けないーーーー
話し終わらない内に私は大声で怒鳴るように言った
「すぐに行くから待ってて!」
nextpage
耐えられずに切った……
受話器を持つ手が、異常に震えていた
切ってからも、ガクガクと震え続け
まだ、肌寒いのに汗をかいていた
music:2
wallpaper:182
実家まで1時間は、かかる
スローモーションの低い声
さっきまでの声が耳に残っていたので、実家に行くのが
怖くもあり、早く母の顔をみて安心したかった
実家に行くと、仕事に出かける父がいた
「ママは?具合が悪いんでしょう??」
父に、かけより言った
父は、泣きそうな私を見て驚いていたそうだ
何を言ってるんだと言われた気がする
wallpaper:22
家に入ると母が、普通に朝ご飯の片付け物を
していた
「ママ!!!どうしたのよ?」と大声だったの
だろう母も驚いた顔を私に向けた
朝早く、あったことを話すと母は電話はしていないとのこと
健康で、どこも悪くないとのこと
母は笑って私が寝ぼけたのでしょうと言った
…………………………
寝ぼけてなんかない……
絶対………
wallpaper:527
数年前の本当にあったことです
母は今も健康で生きています
あの電話は、どこからかかってきたのか?
誰が母のふりをして私にかけてきたのでしょうか
作者あこ