私が勤めてる会社に新入社員が入って来きた
スタイルも良くイケメンだけど
気さくな感じだったので
女子社員の間であっという間に
人気が出ていた
違う課で、あまり顔を合わせる事が無い
私も例外ではなく
彼氏もいなかったのでKの事を
意識していた
Kとは不思議とエレベーターの中や
食堂の席が隣になったり休憩室であったり
と偶然が続き話す機会が増えていった
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そんな、ある日
エレベーターに乗る時にKの姿が見え
たので急いで、近寄り挨拶をした
Kは笑顔になり不意に言いった
「仕事が終わったら夕飯でもどうですか?」
え??
えーーー
………!
誘われちゃった?
やったー!
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今まで挨拶した後に軽く雑談した程度だったので
向かい合って食事しながら話すのは緊張した
でも、彼のリードが良いのだろう
あっという間に打ち解けた
話しも弾み、穏やかに時間は過ぎて行く
んーー食事も美味しい
デザートを食べているとKが
「夜景が綺麗な所があるんだけど見たい?」
と聞いてきました
「見たいー!」と明るく答えた
いい感じ…
このまま付き合ったりするのかな?…
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道は、どんどん山道に変わる
車に戻ってからも、話しは途切れる
ことなく続いていてた
「この先のカーブに、お婆さんの
幽霊が立っているんだって」
ふざけたトーンでKが微笑んだ
「え〜怖い」私も微笑んだ
怖がらせようとしていると思ったから……
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music:2
でも……
カーブを曲がると本当に立っていた…
sound:24
白髪頭で着物を着たお婆さんが立ってる
これって?
言ってた幽霊なの?
気持ちが整理つかない内に
通り過ぎる……
何か言おうとして
彼の顔を見たけど無言で正面を向いたまま
だったので言葉を飲み込んだ……
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沈黙…………………………
………………………………
……………
「さっきの徘徊老人かもね危ないよね」
急にKが話したからビクッとした
気を悪くしたかな……
「あぶないよねー」答えたけれど
声がかすれた…
music:4
「さー着いたよ」
彼と車を降りる、思わず走り出した
「わあー綺麗!」
本当に綺麗だったけれど、さっきまでの
雰囲気を壊したかったから
大袈裟に喜んでみせた
道は車がすれ違えるくらいの幅
街頭も側にはなくガードレールも少なく
足下は高台なのだろう
急な下り坂になっているみたいだけど
月明かりだけで暗い
すぐ下から何も見えないので怖さはない
夜景スポット的な整備された綺麗さは
ないけれど、いいなと感じた
大きく視界が開けていて
夜景がキラキラ広がっている
「綺麗だね」彼を見上げ微笑むと
彼も微笑んで、頷いた
…………………その時
足元のずっと下からだけど……
かすかにカサカサ…と音がした
music:2
え?……
彼も聞こえたのだろう
聞き返そうと同じ表情になる
music:6
身を乗り出した時に
急に……
カサカサカサカサ……
今度はハッキリ聞こえた
山の中で深夜、それは良く響くように
聞こえた
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ケモノ?
もっと大きい何か
腹這いで上ってくるイメージ
なんなの???
数秒だろう…直ぐに
ガサガサガサガサーー
ガサガサガサガサガサガサガサガサー
ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサー
なに?!
何が這ってくるの?!
凄いスピードで一気に足元まで来た!!!
「ぎゃっ」思わず這って来た物から
逃げるように片足が上がる
sound:39
「うわー〜」
私は叫びながら車まで走って
中に入り半泣きで震えていた
怖い怖い
Kも一歩遅れて車に戻って来た
暗くて良くは見えなかったけど
月明かりで半分だけ見えた顔は
酷い形相だった
sound:25
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music:2
何か話しをしたのだろうか……
暗い道路が延々と続く光景が
目に映っていただけのような
気がする
気がついたら自宅の前に着いていて
ありがとう…とだけ言った気がする
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music:4
それからは
お互いに職場ですれ違っても
挨拶だけで話したりはしなかったので
それっきり終わってしまった
2年後、転職することになり
Kとは完全に会わなくなった
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その時の職場の同僚と会うことに
なった
今のお互いの近況、恋話など
たくさん話して、大笑いした
噂話し、悪口、怖い話
女子特有のコースなのかも
夜も遅くなってきた
不意に同僚が
「ねーK君て覚えてるよね?」って聞いてきた
もちろん…と思ったけど曖昧な表情をする
「忘年会で怖い話しようってことになってね
K君の体験がこわくてさー」
と話し出した
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はいはい。。知ってますから。。
それはね、私との体験なんですよ。
忘年会で話すかよ…
なんて上の空で聞いてたら……
信じられないことを言い出した
music:2
「でね…」
「足元を見たら白髪頭が見えたんだってー」
白髪頭が見えた………?
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あの時、Kは足元を確認したんだ
白髪頭……?
あのカーブに立ってた…お婆さん
白髪頭だったよね…………
????
着いてきてた?
ずっといたんだ
這って来たのは、あの
お婆さんなんだー!!
どんな顔をしていたのだろう
同僚が怪訝な顔で見る
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あの時、聞きたかった……
いえ!ずっと知りたくなかったのに
聞きたくなかったのに……
………………………
1人で帰れない………どうしよう怖い
作者あこ
何でーー?
知らない内に削除してみたい
押してくれてた方、すみません
最後まで読んで頂きありがとうございました
これも本当にあった話しです