短編2
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ナンパ

大学に行く為に信号待ちをしていると

突然男に声をかけられた。

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「お姉さん、どこに行くの?」

「ぶっちゃけもろタイプなんだよね〜

今から僕と遊びに行こう♪」

「忙しいので行きません‼︎」

shake

唐突の軽いナンパにびっくりした私は

そう言うので精一杯だった。

青になったのでそのまま行こうとしたが…

「なんで?」

「授業なんていいじゃん。」

と結局大学前までしつこく話しかけてきた。

身なりは今時だか、顔色が悪く

軽い口調の割には

顔が笑っていないのが不気味だった。

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翌年大学を卒業した私は就職をした。

その日は会社が休みだったので

大型ショッピングモールへ出かけた。

ふらふらと歩いていると…

「お姉さん何してるの?」

「僕とご飯食べに行こう♪」

振り返ると

shake

いつか話しかけられたあの男がまたいた。

今回も軽口調なのに表情は無い。

不気味さを感じながらも

この男は常にナンパをしている人なんだ

と考えることにした。

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翌年結婚した私は妊娠した。

もうすぐ臨月。

ボンっと蹴られるお腹をさすりながら

近所のスーパーへ行く途中…

「お姉さん何してるの?」

「僕と遊びに行こう♪」

shake

shake

shake

「!!!」

聞き覚えのある声に顔を上げると

あの男がいた。

いつもと同じ

目は焦点が定まっていない。

「無…理です…」

「なんで?」

「私…今妊娠してるから…」

「いいじゃんあそぼう♪♪」

「だから妊娠……」

「いいじゃん♪♪」

背筋がぞわっとした。

この男はヘンだ。

関わってはいけない…‼︎‼︎‼︎

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今回もナンパをかわすことができた。

無理と言えば

多少しつこいが引き下がってくれる。

しかし、これからも

声をかけられ続けるかもしれない。

いつか

ナンパじゃすまなくなるかもしれない。

そう思うと恐ろしくてたまらなくなる。

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