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中編3
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ある夜の話

「息子の勇四郎がいないんだよ」

康司は落ち着いた声で言った。が、心の中はかなり慌てていた。

「ほう。最後に見たのはいつですか?」

「・・・昨日の夜だったかな?」

「ふむ」

刑事の細田は頷く。

「で、私の家に来たと?」

「そうだ。大きな警察沙汰にはしたくない」

「ですがね。私だけで探すといのは困難です」

「そこを何とか・・・!」

「そんなこと言われましてもね・・・」

「信じられるのは細田しかいないんだ」

細田と康司は同級生であり、当時からの大親友であった。

「いくら、親友の頼みと言ってもねえ・・・」

「・・・関係ない話だが、そこのオーブンで焼いているのはなんだ?」

「いいものでしょう。昔のマキを燃やす式の奴さ。これがよく燃える」

「・・・」

「ああ、質問の答えになってないね。君の好きなものだよ」

「そりゃ、楽しみだ」

ぱちぱちとオーブンの音だけが、静寂と化した部屋に響いた。

「・・・で、どうするんだ?」

「ん?どうするとは?」

「意地悪をしないでおくれよ。息子の件だ」

「ああ。そうだったねえ」

「息子の幼形は・・・」

「いや、言わなくてもいい。知っている」

「ん?お前に会わせたことあったか?」

「ああ。会ったことあるよ」

「それなら話しがはやい」

「君の息子は迷子じゃないんだろう?じゃあ、なんで幼形の話しをする?」

「もしかして迷子かもしれないさ」

「なら、自分で探してみたらどうだい」

「探したさ。今日1日かけてね。でも、見つからないからここにいるんじゃないか」

「そういことか・・・」

「お願いだ。息子を・・・」

「分かった。親友の君の頼みだ・・・実はね私は息子さんのいる場所を知っている」

「え?」

「騙して悪いね。ちょっとした冗談さ」

「・・・なんだ!お前らグルだったのか!」

状況を理解した康司は驚愕に目を見開いた。

「・・・この家に君の息子はいるよ」

「本当かよ!おいおい。俺の一日を返しておくれよ」

「本当にすまないね」

「さ、息子はどこだい?」

「探してごらん。すぐに会える」

「もー君は意地悪だなあ」

「・・・なんか変な匂いがしないかい?」

康司は鼻腔をつく異臭に目を細めた。

そんな康司をみて、細田はニヤニヤと笑う。

「君の好物が焼けたようだ。息子に会うのはそれをしてからでも遅くはない」

「そうだな」

康司はオーブンに近づき、ドアをゆっくり開けた。

「おい細田、これどうやって火を消すんだい?」

「ふっ火は消さないよ」

「へ?」

いつのまにか、康司の後方に細田はいた。

「よーく覗いてみてくれ」

康司が目を凝らすと、炎を奥に黒いものがある。

もっと目を細める。

ニヤニヤと細田は笑った。

「! おいコレ・・・」

「君は息子さんが大好きだろう?」

「て、てめえ!」

康司が後ろを向いた瞬間、棒で首を押さえられる。

「うぐっ!お前何を・・・・」

「私は嘘が嫌いでねえ。君がここにきて嘘をついたことはない」

「だから、会わせてあげよう」

『君の好物が焼けたようだ。息子に会うのはそれをしてからでも遅くはない』

康司の頭に細田の台詞がリピートされる。

「お前ぇぇ!殺してやる。殺してやるぅぅぅ!」

「じゃあ。息子さんと会ってこい」

細田は容赦なく、棒に力をいれる。

「ああああああああああああああああああああああああ!!!」

康司は必死にもがくが、その努力は皆無だった。

「あああああああああああああああ!!嫌だあああ!嘘だあああああ!!」

最後に康司が見たのは、肌が真っ黒になった息子の死体だった。

Concrete
コメント怖い
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自分あとに『の』が抜けてましたすいませんm(__)m

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自分息子の死体見せられるとかとてつもない怖さだな!!

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