私は幽霊というものがいるとかには興味はあまりない。
まぁいるにはいるだろうけど…みたいな感じだ。
ただ怖い話が好きで子どもの頃は怪談ものを読みまくっていた。
そのせいか妙に気配に敏感になったりしたのかもしれない。
これは怪談ばかり読んでいたために巻き込まれたお話
小学五年生の時
私は図書委員になった。なった理由は本が読めるからだった。
そして、私とケイ、ミキ、リュウ(仮名)の四人が図書委員になった。
私とミキは小1から仲が良く、リュウ、ケイも私たちとは男子であったが仲良しだった。
同じ委員会でクラブも同じな四人。
だから図書委員の当番も二人一組なのにいつも四人でしたりしていた。
私はいつも本を読んでいたので、図書委員の時はカウンターに座り本ばかり読んでいた。
それをリュウはケイはからかうが、頭に来るたびに頭を本で叩いていたりして、委員会は楽しかった。
しかし私は図書室の中でも近づきたく無い場所があった。
図書室の一番奥。
そこには私たちには難しい本ばかりあり、誰が借りるのかわからないぐらい難しい本があった。
何故かその棚は暗く、私はそこに行くたびに嫌な気分になった。
だから比較的そこには近づかないようにしていた。
そして、夏休みになる前のある日
あの事件は起こった。
その夏、五年生の間で不思議な噂が流れていた。
夕方。
六年生が図書室を利用している。
しかしその六年生の顔はどの生徒も知らない。
という噂だ。
それをリュウから聞いた私は、
「六年生が図書室を使うのは授業だけだよ?私、居残りがない日は五時まで図書室にいるけど六年生見たことないよ?」
っと返した。
その頃の六年生は、夕方に図書室を使うのは当番の人だけだった。
それぐらい図書室を利用する六年生は居なかった。
今思えばかなり不気味な話だ。
六年生でも本が好きな人いたはずなのに全く使わない。ましてや委員会の当番の人も五年生がいたら鍵締めを頼むぐらい図書室に近寄らなかった。
リュウはその日ケイと一緒に図書当番だった。
私は本を返すために一緒に図書室に向かった。
ミキはあまり図書室には近寄らないというより、クラスにいることが多く、当番がない日はクラスにいて帰りに図書室によるという感じだった。
ミキにはケイから私たちが図書室に行くことを伝え、私たちは図書室に向かった。
そして貸し出しカードの中にある貸し出しの棚から六年生がどれぐらい本を借りているかを見る。
カードは二枚目になると、白からピンクに変わるのだが、六年生は多い人でも一枚目の裏ぐらいで、借りている数が高学年の中でも一番少なかった。
クラスが遠いからかな?なんてその時はケイ達には言った。
なんだか嫌な感じがしたからだ。
その日は何事も無く終わり、次の日は私はケイ、リュウ、ミキの五年生の二人が当番だったが、四人で図書室でゆっくりすることにした。
四人で何時ものように図書室で過ごしながら私は、いつもは近寄らない奥の棚の近くで本を選んでいた。
その時ドサッという音がした。
振り向くとケイが棚の上から本を落としていた。
リュウが笑いながら一緒に本を片付けていたら、声を上げた。
「なにかあったの?」
「おい。こも…こんな本知ってるか」
ケイが私に見せたのは薄いノートのような本。
表紙は夕焼けのように赤い。
「みたことないよ?だいたいそこの棚の本は難しいから、借りてる人みたことないよ?」
「ならなんだよこれ…」
「なんだろう?」
後ろを向けるとそこには六年生のクラスが書いてあった。
私たち四人は顔を見合わせ、中を開く。
そこには交換日記のような感じの文があり私たちは怖くなり直ぐにページを閉じ、元の場所に戻す。
子どもながらにそれはとても怖いもので不気味なものだった。
そして私達は見知らぬ六年生が図書室に来ているといういう理由がわかった気がした。
しかしそれは誰も口にしなかった。
そして次の日にはあの赤い本は無くなっていた。
しかし私はその後、みたのだ。
噂の六年生を…
居残りをしていた私は、課題がおわりクラスから出ようとした。
その時、図書室に入って行く六年生をみた。
だけど、顔もみたことが無く、何処かこの世の者とは思えなかった。
その人が赤い本を持って図書室から出てきたが髪が長く顔は見えなかった。
その後、風の噂で聞いたのは六年生が図書室を使わないのには理由があり、図書室で何かをしていたのだと…
それが何かはわからないが赤い本に関わることだということと。
後は死者と交換日記をしていたのだという噂がたったが多分六年生は死者と交換日記をしていたのだろうと私は今でも思っている。
だって私がみたあの生徒は紛れも無く死者だったと思うから…
作者木漏れ日