友達のQ君の話でございます。
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僕がまだ幼い頃の話。
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母さん同士の友達 いわゆるママ友が数人居た。その中で斉藤さんというママ友が居て、斉藤さんと僕の母さんはあまり仲が良くなかった。
斉藤さんは自分の子供と僕をよく比べた、
勉強 運動 塾の数など。
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斉藤さんは僕に対して何かすることは無かった。斉藤さんの子供とも普通に仲良くやってた。斉藤さんがターゲットにするのは常に母さんだった。ママ友達と食事に行った時、斉藤さんがお水を持ってくる際わざと母さんにお水をかけたり。家の郵便ポストに不快な内容の手紙を入れたり。
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何故斉藤さんはそんな事をするのお母さんに尋ねても分からないと言うだけだった。
塾の帰り道の電柱の近くに誰かがぼんやり立っていた。 斉藤さんたった。
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「あら、塾の帰り?」
「あ、はいそうです。....」斉藤さんがなんだか不気味だったから早く帰りたかった。
「ねぇ、いつもわたし貴方のお母さんにお世話になってるじゃない?だから、これ..いつものお礼。」紙袋を手渡された。
「これは.,何が入ってるんですか?」
「これはね、お茶なの、うふふふ。と!っても身体にいいのよ。坊やの為に買ってきたのよ。身体が元気になるから、坊やが飲んでね?」そう言い残して斉藤さんは去って行った。
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謎の紙袋を持って僕は帰宅した。
「母さんーただいまー!」
「お帰り、遅かったわね。今ご飯支度するからね。」一度玄関で出迎えてくれた母さんは夕食の支度をしにまた奥へ戻っていった。母さんが支度してる間、僕は斉藤さんから貰ったお茶を飲もうと袋の中身を湯呑みに入れた。お湯を沸かし注ぎ、暫く待って居た。その時、電話が鳴った 斉藤さんからだった。
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「もしもし、斉藤ですけど。お宅の坊やにお茶をプレゼントしたのだけれど、飲んだかしら?」
「お茶を?...今お湯を沸かして待ってるようだけど...今飲もうとしてるわ。」
「あーらそうなのーお湯を入れたら早く飲まなきゃだめよー!!!中の蟲達が死んじゃうじゃない!!あっはははは。坊やお腹下すかもね!明日から塾行けないわね!あっはははは」母さんは絶句した。
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「Qくん!!!飲んじゃだめ!!!」僕は飲もうとしてた湯飲み茶碗を取り上げられた。茶碗が落下した。受話器からは斉藤さんの笑い声が聞こえる。
「母さん?どうしたの?」母さんは青白い顔をしながら湯呑みと茶碗の中身を新聞紙の上にまいた。
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中身は薄茶色の液体と白くて小さい卵と羽化したての幼虫が大量に入っていた。白く細長く背中に黒い点々が連なる幼虫達。それを見て気持ち悪くなって吐いてしまった。
僕はその日から湯呑み茶碗に入った飲み物が飲めなくなった。
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<おしまい>
作者群青