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短編2
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To be continue

小学生の頃。ガキ大将に立ち向かったことがある。

理由は、覚えていない。

ただ、心の奥底に勇気が湧いていたことだけは覚えている。

結果は、見るも無残にコテンパンにされた。

なぜ、あの時、あれほどの勇気が自分にあったのだろうか。

(残念だ。勢いでいけると思ったんだけどな。)

中学生の頃。校庭の隅の桜の木の下で、学年で一番綺麗な女子に告白した。

結果。見事に振られた。

そりゃそうだ。彼女と俺はほとんど初対面だったんだから。

なぜ、あの時の俺は、あんなに期待に胸を膨らませていたのだろうか。

(おかしいな。桜の木の下でなら、成功するはずだったのに。)

高校生の頃。俺は大学を受験した。

この大学に合格すれば、希望の未来が約束される。

俺には合格する自信があった。

だが、結果は、不合格。

よく考えれば、あんなランク上の大学、俺の成績で受かるはずがない。

なんで、あんな自信があったのだろうか…。

(クイズなら自信があったのにな。残念だ。)

社会に出て。俺は会社のやり方に納得がいかず、上司に逆らった。

社長を怒鳴りつけた。自分の考えを信じて。

結果は、解雇だ。胸ぐらまで掴んだのはやりすぎた。

だが、あの時は、何故か手が勝手に動いたような気がした。

(人生一発逆転、なんてわけにはいかないか。)

(そろそろ、まずいかもしれないな。)

なんで、あんな事したんだろう。

何をしても、上手くいかない。

俺は、高層ビルを見上げる。

…死んじゃおうかな…。

(いや、だめだ。)

その時、俺の胸に、勇気が、自信が、湧いてきた。

いや、だめだ。まだ諦めちゃいけない。

(そうだ。諦めるには、まだ早いな。)

それからも、俺は何をしても上手くいかなかった。

イライラした気分の俺は、部屋でテレビのディスプレイに向かいながら、ゲームをしていた。

戦略シミュレーションゲームだ。

ゲーム画面の中、自分の部隊は劣勢で、このままでは負けは確実だ。

「ああ。畜生。リセットだ!」

俺は、ゲームを最初からやり直すために、リセットボタンに手を伸ばす。

(僕もそう思うよ。)

…声が聞こえたような気がして、俺は後ろを振り向いた。

そこには、

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俺の、

リセットボタンを、

押そうとする、

誰かの手が、

あった。

wallpaper:126

(to be continue…。また、やり直しだ。)

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