大昔の話。
俺が小学生の頃だから二十数年は昔に遡ります。
自宅から二駅離れた所に我が家のお墓があるお寺がありました。
小さい頃からよく親の自転車について行ってたので小学生でも自転車で行ける範囲でした。
何故行くかというとお寺の側の溝にザリガニが沢山いたからです。
ザリガニを採り満足した所で帰り道を少し変えようといつもと違う道を帰ってみようと思いました。
夏休みだったし少し冒険がしたかったんですね。
違う道をくるりと回るとジグザグとした道があった。
暑い暑い夏休みの中だったんですがふとそこにさしかかると何故か五月蝿い事で有名なクマゼミのシャーシャーシャーシャー鳴く声が急に聞こえなくなった。
あれ?っと思うと同時にキーンと耳に高周波の様な耳鳴りが。
そして暑かったハズなのに鳥肌が。
小学生低学年だったが午後は⚪︎⚪︎思いっきりテレビのあなたの知らない世界をよく見ていたのでこの後の展開は予想出来た。
俺は「わぁーーーーー!」
と、叫びながら自転車を漕いだ。
ジグザグとした道と書いてあるが大人になった今なら冷静になり説明しやすい。
L字クランクなのだが不気味なのは右側のかどに祠がある。
その後ろ側にはボロボロのコンクリの廃マンション。
L字の内側の角には白い紙で作った注連縄の様な物が巻かれている柳の大木。
反対側にも地蔵が祀ってある祠とまた紙を撚って作った様な注連縄みたいな物が巻かれた柳の大木。
このL字のクランクの中に廃墟、何かを祀っている祠×2、注連縄の巻かれた柳の大木×2があるという奇跡のスポット。
ここを叫びながら通過すると再びクマゼミのシャーシャーシャーシャー鳴く声が耳に入る。
あの場所はなんだったのだろう?
雰囲気としては真夏の灼熱の炎天下の下でもあそこに行けばデパートのクーラーの前にいるかの様な寒気が襲ってくる。
高校の頃にもイケイケの先輩(オンボロの中古車を買いバイクに乗ったヤンキーを轢いて遊ぶという危険な方)
と、夜中に廃マンションに行きましたが流石に行った人間全てがその異様さに黙り込む始末でした。
現在は祠も柳の大木も廃マンションも全て建て替えられて新築のマンションや綺麗な一戸建てに変わり果てている。
祠や柳の大木の行く末は?
ここに住んでいる人は昔の風景を知っているのか?
何も起こらないのか?
答えはわからない。
三十過ぎになり仕事でふとそのL字クランクを通って思い出しました。
これがわずかではあるのだが俺の中の初めての心霊体験なのかも知れない。
あそこに何があったかは知らない。
ただ現在住まわれている方が幸せであります様に。
この後どんどんと実体験が増えるのだか文章力の低さや怖くないので投稿するかはわかりません。
作者パグ太郎
追記。
そこの新しいマンションの名前を検索すると、、、元資産家の老姉妹が餓死するという事件がありました。
やはり忌み地なのかもしれません。