中編3
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影に追われた男の話

先日、ある男と知り合った。

名前は仮にAとしておきます。

Aのスペックは良くも悪くも普通と言った感じ。

女性と付き合った事は一度だけ。勿論、童貞。

そのAから聞いた話

今から数年前、Aは影に追われていた。

影に追われると云うのも変だが、これ以上適切な言葉は無い。

影は、太陽の出ていない方に出るのが普通。

だが、その影は太陽が出ている方に出ていた。

その影と云うのは、影が二つ存在してたからだ。

普通の影と、太陽の方向に出る影。

Aは怖くなったが、不思議と落ち着いていた。

その影からは、悪意等の他意が感じられなかったから。

ある雨の日。

太陽は雲に隠れている。

だが、その影は何故か見えた。

しかも、何時もより黒くハッキリと。

Aは怖くなった。

何故なら、一瞬だが、ハッキリと悪意を感じたから。

Aは知り合いに霊媒師が居ると言う友人に助けを求めた。

友人はすぐに霊媒師を呼ぶと言った。

数十分後、友人と霊媒師が来た。

霊媒師の方は仮にTとしておきます。

AはTと友人に今までの事を全部話した。

その話を聞いたTは、「明日、俺の家に来い」と言った。

そして、その日は解散となった。

次の日、Aは友人に連れられTの家に行った。

そして、Aは

曰く「本怖」とかにある、霊媒師VS悪霊的な感じの事をされた。

取り敢えずの事はした、とTは言った。

でも、所詮気休め程度の事。

何故かAはそう思った。

影に追われ、数ヵ月が経ったある日。

布団に入る直前、例の影が自分の元を離れて行った。

「此で終わった。」

Aはそうは思えなかった。

そして、其から一週間が経とうとしていた時、

家の壁に、今まで無かったシミが現れた。

最初は気にしなかったが、二日、三日、と経つ事に小さくなるシミに違和感を覚えた。

シミは一週間も経てば消えた。

だが、シミが消えたのと同時に、例の影が又現れた。

だけど、今回は様子が違った。

影は窓の外に居た。

誰かに憑いてる訳でもなく、影単体がいたのだ。

そして、影からは悪意が感じられた。

Aは怖くなり、布団に入った。

だが、Aは甘かった。

今は、8月。

Aは窓の鍵を開けていたのだ。

ギィーと窓の開く音がした

影が入って来た。そう思った瞬間、布団が何かに掴まれた。

Aは必死に布団を抑えた。

影との攻防が続いてる中、Aは在ることに気づいた。

布団を剥がそうとしてる何かから悪意を感じ無かった。

「あの影じゃないのか?」

Aは油断した。

その隙に、布団を剥がされた、部屋の中に居たのは歪な形をした影だった。

Aは気付いたら病院に居た。

看護婦曰く、隣の部屋の人が五月蝿いと苦情を入れに行った際に、部屋の中で意識の無いAを見つけて、連れてきてくれたそうだ。

Aは病院を一週間程で出た。

影はそれ以来、憑いて居ないらしいが、希に街を歩いていると、影が二つある人を見ると云う。

                    ~END~

Concrete
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