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中編3
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彼女の奇行。

高校に入ってすぐのことでした。

他高の友達より紹介してもらった女の子と付き合うようになりました。

学校に迎えに行ったり、迎えに来たり。

ひと月ほどは仲良く過ごしていたのですが、彼女には問題がありました。

自傷癖です。

物事の大小かかわらず、嫌なことがあると身体に傷をつけ血を見て、人が心配してくれて自分の存在価値を示していました。

付き合って1ヶ月過ぎたある日、彼女の手首に傷が増えており、またしたの?と聞くと

私がメールを返さなかったからだという。

いくら、底辺高校でも授業中は返せないのでそれを伝えると

今日はもう帰るといい、去っていきました。

そして、それから三日ほど連絡が来なくなり

もういいか。と諦め、メールで別れを告げました。

結局相手からの返事も来ず、しばらく経って新しい彼女が出来順風満帆に過ごしていたある日のことです。

彼女が家にお泊りに来て次の日は一緒に学校に行こうと話していると、部屋の窓に何かがぶつかる音がします。

友達でも来たかなと覗くと元カノがボーッとナニカを持って立っていました。去っていった時の服のままで。

え?と思い一度身をかがめて頭の中を整理しますが、整理できません。

現状を彼女に話し、家から出るなといい真向かいに住んでる幼馴染みに電話しました。

私#お前今家おるか?

A#おるけども?

私#窓の外見てみ。

A#彼女の自慢ならもうええぞ?

私#まぁ、ええからソーっと覗いてみろ。

ぶつくさいいながらAは覗いたのでしょう。電話越しにうおっと聞こえました。

A#なにあれ?何したん?

私#見てのとおり、あの子よ。何もしてない、でも何かされそう。

A#なんで俺に電話した?

私#助けて。

A#いやいや、包丁持ってるやん?あかんやつやろ?

私#よろしくっ!ピッ

携帯にキャッチが入ったので電話を切り確認すると。

元カノからでした。かけなおすか彼女と相談し悩んだ末、とりあえず部屋の電気を消して観察しようとなりました。

しばらく様子を伺っているとバットを持ったAが現れました。

話しかけ出したので窓を少し開けると会話が聞こえてきました。

あいつ殺すねん。

殺すのは良くないやろー。話し合ったら?

浮気してんねん、今。

聞いた話やと自分が連絡せんかったんやろ?

メール返してこやん時点で浮気やもん。

ここで、Aが切れました。

自分頭おかしいんちゃん?と

その一言で、元カノ発狂。

身構えるAと家を飛び出す私。

家を飛び出したとき元カノはA目掛けて包丁を刺そうと走っているところで

Aは新庄のテーマソングに合わせて元カノの腕ごと、バットで殴りました。

飛ぶ包丁。倒れる元カノ。

元カノちゃんよ。大丈夫か?痛いやろ?ホイでもな、人にはやってええ事とあかんことがあるのよ。

元カノちゃんはそれよりもっと痛いことを、コイツにしようとしてたんやで。好きな気持ちはわかるけど、自分の間違いは認めないと。こんなこと二度としやんのなら警察には突き出さんから約束しぃ。とAは素ブリをしながら元カノに諭しました。

しおらしくなった元カノは泣きながら謝ると私とAにゴメンなさいをし

Aに今彼女はいますか?と聞いた。

Aはおらん。とだけ伝え踵を返して家の方へ向いて歩いていったので

私も家に入り、その日は寝ました。

三日たったある晩、Aからの電話でストーカーにあっているとの報告がありましたが

それはまた別のお話。

Concrete
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凄くぞっとしました。やっぱり人間が一番怖いですね。

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