友人が子供の時に体験した話。
学校から適当に寄り道をしながら家へ向かっていると「くぅーん」と仔犬の様なか細い鳴き声が聞こえた。
捨て犬だ、と辺りを探していると、好き放題に伸びた雑草の中に黒い塊が見えた。
仔犬を驚かさない様にゆっくりと近づいて声をかけてやる。
「どうした?捨てられたのか?怖くないぞ。こっちおいで」
友人はしゃがみ込んで仔犬を撫でようと腕を伸ばした。が、すぐにその手を引っ込めて一目散にその場から走って逃げたそうだ。
一体何を見たのか訊くと、友人はそれを思い出して身震いしていた。一呼吸おいてから友人は答えてくれた。
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それは仔犬ではなく首だけの女が睨むようにこちらを見て「うー…ん」と低く唸っていたのだという。
作者一日一日一ヨ羊羽子
生首のお話し。