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中編4
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友達の成れの果て。

被差別部落地域のお話を投稿いたします。

苦手な方、嫌悪感を抱く方はバック願います。

このご時世、差別とかないと思われてる方も多いと思いますが見えにくくなっただけで、境界線もあれば不思議な風習も現にあります。

うちの中学校はなかなか荒れており、私もその荒れたガキの一人でした。

他校の生徒と喧嘩をし勝ち負けで上下が決まっていく。

そんな3年間の中で親父から聞いたお話をそのまま書こうと思います。

中3の時になピー太って友達がおったのよ。

まぁ、そいつの話なんやけど。

夏前にどうも彼女ができたみたいで、しょっちゅう学校抜け出しては遊びに行ってたわけ。

気になるやん?どんな子なんやろーって。

んでな、ついていったわけよ。コソっと。

ほんだらよ、ごっつべっぴんでな。

ピー太不細工やからみんなも信じれんかったけど、現に目の前で手つないで歩いてるし信じるしかなかった。

まぁ、幸せならええかと思ってな。

ほいで、しばらくたって夏休み入る前くらいかなあ、突然学校に来だしたのよ、ピー太が。

お、別れたんかなと、早速みんなで茶化しに行ったわけ。

んだら、どうも様子が変やったから、どないしたよ?って聞いたら

「近々別れる。あの子アカン子やわ。」

って、皆はぁ?ってなってさ

どゆことやねんって問いただしてもなかなか口を割らんくって

みんなだんだん飽きてきて、バラけてったのよ。

でも、気になってしゃーなかったから最後まで食い下がったのよ俺と、あともひとり、モッチーってやつとでな。

ほんなら、ようやくボソボソ話し出した。

「あの子、○○(地名)の子やった。俺んち、あかんねん。付き合うてるなんかばれたら俺がえげつないことになる。」

そんなことで、別れんのかよ。と思ったけど、まぁ時代が時代やから気にする家もあったのは事実やし。

しゃーないなぁ。でその日は終わったのよ。

で、夏休みあけてすぐぐらいにピー太が

「別れてくる。」って授業を抜け出したのよ。

モッチーと俺しか事情知らんし、またコソっとつけてったのよ。

公園でな、彼女待っててピー太がアホみたいにデッカイ声で

「別れて欲しい」

って叫んだのよ。

思わず、飛び出て行きそうになったけど堪えて見てたんよ。

ほんなら、彼女震え出してなあ。

可哀想に、ないてるやん。って

モッチーと二人で話してたのよ。

じゃあいきなり、さっきのピー太に負けんくらいでかい声で彼女が

「あっしの地元か!地元があかんのか!」

ってどなったんよ。

正直、帰ろかなと思った。

あのな、目が座ってたのよ。彼女の。

いきなり大声出されてびっくりしたんかピー太も

「そうじゃ!二度と関わらんといてくれ!」

っつって、振り向いて歩いてったのよ。

俺らどないする?ってモッチーと話して、面識ないから彼女の近くに行ってみよ。ってなったのよ。

でまぁ、5m離れたとこぐらいを通り過ぎたら彼女小さい声でずっと

「絶対許さん。」っ呟いててさ。

これはやばいと思ってピー太追いかけて伝えたのよ。

でもピー太聞く耳もたんで

「知るかアホ!」

ってゆーて帰ってったのよ。

モッチーと気ィ悪いなぁ、っていいながらその日帰ったんよ。

で次の日。ピー太が学校に来てないのよ。

次の日も、その次の日も。

1週間経ったくらいでお見舞いしに行こってみんなで家にいったんやけどな、帰ってきてないってゆーのよ、親が。

だいぶ嫌な予感してな、探し回ったのよ。

俺らの時はさ、今のお前らみたいな生易しい喧嘩じゃなかったから

普通に監禁とか軟禁があったんよ。

だから尚更なんか巻き込まれたんちゃうかって焦って探し回ったけど一向に見つからん。

一番嫌な警察行くか。って話になってる時にモッチーが、彼女の地元は?って言い出したのよ。

でも、代々そのこの地元は近付いたらあかんって先輩からもキツくゆわれてるトコでな、かなり迷ってんけど行くしかないからさ

俺とモッチーとその時の学校の番と三人で彼女の地元に出向いたのよ。

○○入る前、下り坂なってて川渡って境界超えるやろ?アッコに昔は交番あったのよ。

その交番のポリにな、こっからは絶対入んなってゆわれてんけど

どうしても行かなあかん用事があるって伝えたら

「15分で戻って来い。戻ってこんときはパト出すからな。」

ってゆわれてなあ。

意を決して、地域に入ったのよ。ほんなら明らかに空気が違う。家の感じも何もかもが一昔前で止まったままって感じでな。

さぁ、どう探すよ?って相談してると、俺らよりちょっと年上位のにぃちゃんが寄ってきて

「どこのもんじゃ?」って聞いてきたから地元の名前を言うたのよ。

ほんなら目つき変わってな。あんときの彼女のみたいになって座ったのよ。

いつでも、逃げれるようにしとったんやけどその兄ちゃんが

「ガキ、探しに来たんやろ?ついてこぉ」

ってゆーたから、素直についてったのよ。

ほんなら古い小屋の前で止まってな

「こん中にいとるから連れて帰れや。歩けんなってもーたからおぶるかひこずるかせぇ。」

ってゆわれて、中覗いたら

吊るし上げられたピー太がおったのよ。

もう、顔腫れ上がってピー太かどうかわからんなっててんけど、両足の親指切られててな。

あれは、忘れられん。

ピー太おぶって○○から抜けるときさっきの兄ちゃんが

「今回はこれで終いやけど、次またうちと構えてみ?地元ごと潰すぞ。」

ってゆわれたわけ。

さすがに、ピー太の状況見たらなんもゆわれへん。

ピー太おぶって家まで連れて帰って、親御さんに事情話したら納得したみたいで、結局事件にもならずにこの話はおわったのよ。

喧嘩するのも別にやめろとは言わん。

でも、相手だけは見てやれよ?

取り返しのつかんことになることもあるぞ。

ピー太は結局一生車椅子や。

以上です。

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