此れは、ウタバコ・12の続きだ。
nextpage
・・・・・・・・・。
烏瓜さんと会った次の日。
「・・・・・・何だ此れは。」
「献上品のチョコレートムースに御座います。」
放課後の第四総合教室で、僕はひたすらに頭を下げていた。
「どうぞ、御受け取りください。」
nextpage
・・・・・・・・・。
斎藤は、薄塩に対して畏怖の感情を持っている。
小学校時代、散々彼に助けて貰ったからだ。
何故、と訊かれたならば、こう答えるしかない。
彼は、ゴキブリホイホイがゴキブリをホイホイする様に厄介事をホイホイしてしまうホイホイ体質野郎だから、と。
勿論、此の場合の厄介事とは、心霊関係の話の事だ。
斎藤は、只でさえ惹き付け易いのに、自身もオカルトが大好きで、自らそう言う事に首を突っ込んでしまう。
其れでいて、全く其のホイホイされて来たモノ達に余り気付かない。誠に厄介と言わざるを得ない奴である。
そして僕は、昔から、其の厄介によく巻き込まれていた。
斎藤は、大して仲良く無かったのに矢鱈と馴れ馴れしく、事有る毎に僕につるんで来ていたのだ。
他に友達が沢山いるのに!よりにもよって!!独り静かに本を読んでいたりしていた僕に!!!
有難迷惑此処に際まれり、である。
毎度毎度、危険な目に遭わされる此方の気持ちも考えて頂きたい。
・・・まぁ、危険な目に遭っても、結局何時も薄塩が助けてくれた訳なのだが。だからこそ、何時も序でに助けられていた斎藤が、薄塩の事を、崇拝・・・とは少し違うが、凄い奴と認めたのだが。
さて、説明が長くなり、申し訳無い。本編へと戻ろう。
nextpage
・・・・・・・・・。
百々の詰まり、斎藤をどうにか出来るのはもう、薄塩しか居ないのだ。
「頼む。ウタバコ強奪に手を貸してくれ。」
「いや、其れは此の間、了解したってば。」
「コンちゃん、俺は?」
「お前の分もちゃんと有るから、少しだけ待ってような。」
「一体何しろってんだよ。」
薄塩が困り顔で尋ねた。
「お前の力で、のり姉をどうにかして欲しい。」
薄塩の顔が、一気に歪んだ。
作者紺野-2
あのクソ店長め・・・・・・!!遅くなってしまい、しかもかなり短くて申し訳御座いません。