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都内に住む女性が体験した話。
夜中何かの物音で目を覚ました。
「ゴロン…べちゃ…ゴロン…べちゃ」
と足元からそんな音が聞こえる。何だろうと起き上がろうとするが体が動かない。
「ゴロン…べちゃ…ゴロン…べちゃ」
音は段々とこちらへ近づいてくる。しかし、何かが転がる音と肉の塊が落っこちた様な嫌な音が耳に響くばかりで、一体それが何なのかが全くわからない。
「ゴロン…べちゃ…ゴロン…べちゃ」
やがて目の端に黒い影が見えたが、怖くて天井から目線を動かすことが出来ない。その影は転がりながら枕元までやって来てぴたっと止まった。女性は意を決してゆっくりとそちらに目線をやった。
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そこには首だけの男が不気味に笑ってこちらを見ていた。
目が合うと生首は口を大きく開けてがたがたと揺れながら「アッハッハッハッハッハッ!」
と大きな声で笑った。目も大きく見開き、肌はどす黒く、所々爛れていた。女性はそのまま気を失ってしまった。
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朝目が覚めて急いで起き上がると、もう生首はどこにもなかった。が、玄関から枕元まで等間隔に丸く赤黒いシミが残っていた。
女性はすぐにそのアパートから出ていったそうだ。
作者一日一日一ヨ羊羽子
生首シリーズのお話し3本立てでございました。もしよろしければ「覗きにきた」「起こしにきた」「助けにきた」のお人形さんシリーズも読んでね。