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中編3
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死神と青年 鴉天狗の蝶永

ん?わしか?わしは鴉天狗の蝶永。

最近、気になっているものがある。

人間世界に降りて散歩していた時だった。男が首輪を着けて犬の如く女性に散歩させられていたのだ!

あれは何だ!ワシはそれを凝視していると男はワシに気付いて顔を真っ赤にしていた。

しかし、女性は男の尻を鞭のような物で叩いているではないか!

男は痛がる素振りをするも、微かに喜んでいるだと!?

それから長い付き合いの狛犬のごま様に会いにいくことになった。

ピンポーン!ピンポーン!

「はーい!」

ワシはごま様が好きな大豆を持って、ごま様の主の家を訪ねた。

「あなたが、ごま様の主ですか!立派な殿方でありますな〜!」

僕は死神憑きの兄貴の弟、僕には狛犬が取り憑いている。

狛犬「よお!蝶永!人間世界は久々であったろう!」

蝶永は笑いながら

「えぇ!外には鉄の猪がたくさんいたのに驚きですよ!しかも、鉄の猪の体内に人間が乗ってるんですからビックリしましたよ!」

僕は「鉄の猪?あぁ!車のことか笑」蝶永は笑いながら「ほう!車と申すのか!勉強になりますな!」

と玄関前でベラベラ喋っていると

後ろから…「おい!コォォラァァ!カマ野郎!逃げんなー!」

「ドアブッ!」

死神が蝶永を吹き飛ばして実家に逃げ込む

「アブッ!」

あとから俺がそれを追いかけるように倒れた蝶永を踏みつけて死神を追っかけたのである。

「き、貴様らー!待たんかー!」

蝶永は半泣きしながら俺を追っかけて来た!

弟はやれやれと玄関の扉を閉めて

家中を走り回る俺たちを必死に止める

だが、俺は見事なプロレス技のコブラツイストを死神に決める!

「ギブ!ギブ!ギブ!」

「どうだ!反省したか!俺が最後に取っといた黄金プリンを食いやがって!」って死神を問い詰める。

蝶永は扇子で俺と死神の頭を叩く

「まず、ワシに謝らんか!」

俺は「あんた誰?T_T?」

蝶永は扇子を開き、ゴホンと咳をする「ワシは天狗山に住む鴉天狗こと蝶永と申す者なり。」

そこへ狛犬がテチテチと蝶永の隣に歩き並ぶ。「ワシの親友だ!鴉天狗の蝶永は何百年もの付き合いがある!」

弟は「なんでわざわざココへ?」

蝶永は懐から巻物を取り出し広げた。「死神のあなたにこれを渡したいと思ってな。」

死神はコブラツイストを受けていたが実体化を解いて立ち上がる

俺は実体化を解かれて崩れる

「なんの巻物ですか?」

蝶永は扇子を扇ぎながら

「あなたに危機が迫っているとの予言ですな。」

死神は巻物を見ながら

「危機?」

蝶永は「天師ですな、あなたも知ってる通り天師がこの町に現れた。」

死神は爆笑しながら巻物を蝶永に返す

「ハハハハッ!今更、天師が私を退治しようなど出来るわけがない!」

蝶永はエラく真剣な顔つきで死神に話す「何人もの死神が、その天師に殺されたのだよ、死神が死んだらどこへ行くかは貴様が一番、知っておるだろう」

死神は唾を飲み込み蝶永に質問する

「なぜ、今更になって天師が我々を狙うんです?」

蝶永は悩みながら呟く

「復讐かもしれんな。詳しいことはわからんが、気を付けろ。」

死神は頷き「はい、教えて頂き感謝します、蝶永殿。」

蝶永は扇子を扇ぎながら

「それではごま様、またお会いしましょう!では!」

蝶永は床にゆっくりと手を突いて

枯葉を撒き散らし消えていった。

弟は叫ぶ「部屋を汚すなー!!」

俺は心配そうな顔をする死神に向かって「大丈夫だって!俺と弟もいるんだからさ!」

死神は小さく笑い「ですよね!」

「だが!黄金プリンを食べたことは許さん!∑(゚Д゚)!」

「そ、そんな〜!」

死神は俺から情けない声を出して逃げ出した。

めでたしめでたし。続く。

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