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短編2
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虫の死骸

music:2

あ。また死んでいる。

.

私の家はマンションの9階。

なのにどこからともなく虫が入ってきているようだ。

まあ毎回死んでいるからいいのだが。

ティッシュでクモを包んでゴミ箱に投げ入れる。

.

虫ってなんて弱々しいんだろう。

何もしなくても死んでいるなんて。

そんなことを思った。

.

キュ

シャーー

お風呂に入りながら、どこから入ってきているのか考えてみた。

玄関を開けた瞬間?...クモなんか入れば分かるのでは?

網戸の隙間?...入れるか?

まさか換気扇とかじゃないだろうな...

石鹸を洗い流して湯船に入る

sound:10

はぁ、とため息をついた時、足元から何かが浮かび上がってきた。

...ゴキブリ

ゴキブリエキスが入っている湯船に入っていたことにショックをうけながら、ティッシュに丸めて捨てる。

うんざりだ。

.

music:2

体を拭きながらよくよく考えてみる。

おかしくないか?

虫の死骸がではじめたのは去年の12月から。

それに今はもう11月。

死骸のなかにはクモやゴキブリやムカデなどもいる。

冬にマンションの9階にクモやゴキブリや、ましてやムカデなんか出るのか。

へやも片付いている方だと思うし...

それにさっきのゴキブリ。

お湯を入れ終わってみた時には何もなかったし、風呂の蓋もしていた。

どこからはいるというのだ。

.

ぶるっと身震いした。

得体の知れない恐怖感。

.

翌日、私はあらゆる虫よけグッズを買ってきて、そこらじゅうにセットした。

蚊取り線香、虫よけコ◯ーズ、ホウ酸ダンゴ...

換気扇にも網をつけた。

これでいいだろう。

そう思い部屋に入った瞬間。

music:3

shake

wallpaper:116

横たわるカナブンの死骸。

ふざけるな!!

こんなもの入るわけがないじゃないか!!

気持悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い.....

.

.

私はすぐにその家を引っ越した。

出る頃には1日に10匹ほどの死骸がでていた気がする。

今の家では虫はたまにしかいないが、

虫を見るたびに身震いをしてしまう。

あの家は今でも虫が出るのだろうか...

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