【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編3
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足を引っ張らないで

みなさんは、寝るときに足を出すのが怖くて、布団を足で押さえて寝る経験をされたことがありますか?

恐怖とは、一種の防衛反応です。

足元に何かいるわけでもない、のに出すのが怖い。

それって、見えないだけでほんとは…

.

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「暇だなあ…」

小学6年の時。

あれは蝉(せみ)がうるさい時期だった。

「落書きでもするか。」

よくある学習机にすわり、おもむろにノートを引っ張り出す。

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パラ

「あ、これマチちゃんと描いたやつだ!うわーww」

sound:30

パラ

「うわっ昔描いてた漫画。恥ずかしww」

sound:30

パラ

music:2

「..ん?」

パラパラと開いたページには、

太い枝に紅葉がたくさん付いている絵が描かれていた。

「こんなのかいたっけ。下手っぴだなあw」

このとき私は知らなかった。

この絵の意味を…

.

music:1

「よし、描きますか!」

手にクレヨンを持って、絵を描き始める。

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ポタポタと汗が落ちてくる。

今日は猛暑だなあ。

と呟いてみる。

「お茶いれてこよ…」

そう思い立った時。

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サワ

と、何かが足に触れる。

冷えた布のような感覚。

「なに?」

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机の下を見るも、何もない。

「...気のせいかっwお茶お茶おちゃちゃ〜」

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sound:14

バタバタと下へ降りていく…。

.

晩御飯を食べて風呂に入るともう10:00。

「そろそろ寝ようかなあ〜」

モゾモゾと布団へ潜り込む。

「おやすみぃ〜」

枕元のぬいぐるみを撫でて、電気を消す。

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カチ

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music:3

まっくらだ。

横になり、布団をかぶるが、暑いので着ないことにする。

........

怖い。

足元に何かがいて、足を触られたらどうしよう...

無性に強くなり、布団を足にかける。

怖い…

.

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いつの間にか眠っていたようだ。

起きようと布団から抜けた時に異変に気付く。

足に少しあざができている。

「どこかで打ったかな?」

まだその時点では気にならなかった。

「あ、学校に行かなきゃ。」

ランドセルを引っ張り、リビングへと向かう。

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「おはよー」

「早く早く!お友達くるわよ?」

「ふぁふぁっへふー」

パンを口に押し込む。

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ピンポーン

「マコちゃーん?きたよー」

「ごめーん!今行くー!」

「マコ!ほら靴下履いて!」

「わすれてた..」

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「いってきまーす!」

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バタン

ドタバタの朝を終え、学校へと向かった。

.

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sound:15

チャイムがなり、授業が始まる。

(面白くないなあ。絵を描こう!)

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ページをめくり、授業を聞いているふりをしながら絵を描く。

「ふんふふんふふーん♬」

その時だった。

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ガッ!!と足を勢いよく引っ張られる。

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「ぎゃーーーーーーーーーーっ!!!」

思わず飛び退く。

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椅子が勢いよく倒れる。

「うおいっ!北野!!なーにしてんだお前は!」

先生が私のことを呼び、みんなの視線が突き刺さる。

「いや、ご、ごめんなさーい」

顔を赤くして座り直す。

机の下を見たが、何もなかった…。

.

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おかしい。

家に帰り、そう呟く。

あれは間違いなく、

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手、だ。

あしをさする。

もしかすると、昨日の部屋の机のやつも、気のせいなんかじゃなかったのかも…。

急に怖くなる。

机に座りたくない。

その日は、机に座らずに寝る時まで過ごした…

.

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カチ

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寝る時間だ。

布団に入る。

怖い。

足を引っ張られる感覚。

足についた痣。

足を出すのが怖い。

足に布団をかける。

目を閉じる。

大丈夫だ。幽霊なんていない。

.

.

.

目がさめる。

まだ夜中だ。

…暑い。

布団をかぶっていたからか、汗がたくさん出ている。

…すこしなら

足を出してもいいだろう…

足を出す。

その瞬間

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sound:19

ガッ!!

shake

足を掴まれる。

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「きゃあああああああああああ」

叫びながら振り解こうとする、が、離れない。

それどころか、どんどん力が強くなる。

「イタイイタイ!!離して!!離してよ!!」

爪が食い込む。

「離せ!!なに?!わたしがなにかしたの?!早く離せよ!!きもいんだよ!!死ね!!」

恐怖を通り越してムカついた。

なんでこいつに怖がらないといけないんだ。

足を思いっきり蹴る。

ようやく離れて、ホッとしたのもつかの間。

怒りで動いていた私はそのばで気絶してしまった。

.

.

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その日から、私は足を掴まれることはなくなった。

しかし、いまでも椅子に座ったり、足を出して寝ることは苦手だ。

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また、足を掴まれるかもしれないから…

みなさんは足、引っ張られないようにしてくださいね。

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