みなさんは、寝るときに足を出すのが怖くて、布団を足で押さえて寝る経験をされたことがありますか?
恐怖とは、一種の防衛反応です。
足元に何かいるわけでもない、のに出すのが怖い。
それって、見えないだけでほんとは…
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「暇だなあ…」
小学6年の時。
あれは蝉(せみ)がうるさい時期だった。
「落書きでもするか。」
よくある学習机にすわり、おもむろにノートを引っ張り出す。
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パラ
「あ、これマチちゃんと描いたやつだ!うわーww」
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パラ
「うわっ昔描いてた漫画。恥ずかしww」
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パラ
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「..ん?」
パラパラと開いたページには、
太い枝に紅葉がたくさん付いている絵が描かれていた。
「こんなのかいたっけ。下手っぴだなあw」
このとき私は知らなかった。
この絵の意味を…
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「よし、描きますか!」
手にクレヨンを持って、絵を描き始める。
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ポタポタと汗が落ちてくる。
今日は猛暑だなあ。
と呟いてみる。
「お茶いれてこよ…」
そう思い立った時。
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サワ
と、何かが足に触れる。
冷えた布のような感覚。
「なに?」
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机の下を見るも、何もない。
「...気のせいかっwお茶お茶おちゃちゃ〜」
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バタバタと下へ降りていく…。
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晩御飯を食べて風呂に入るともう10:00。
「そろそろ寝ようかなあ〜」
モゾモゾと布団へ潜り込む。
「おやすみぃ〜」
枕元のぬいぐるみを撫でて、電気を消す。
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カチ
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まっくらだ。
横になり、布団をかぶるが、暑いので着ないことにする。
........
怖い。
足元に何かがいて、足を触られたらどうしよう...
無性に強くなり、布団を足にかける。
怖い…
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いつの間にか眠っていたようだ。
起きようと布団から抜けた時に異変に気付く。
足に少しあざができている。
「どこかで打ったかな?」
まだその時点では気にならなかった。
「あ、学校に行かなきゃ。」
ランドセルを引っ張り、リビングへと向かう。
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「おはよー」
「早く早く!お友達くるわよ?」
「ふぁふぁっへふー」
パンを口に押し込む。
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ピンポーン
「マコちゃーん?きたよー」
「ごめーん!今行くー!」
「マコ!ほら靴下履いて!」
「わすれてた..」
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「いってきまーす!」
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バタン
ドタバタの朝を終え、学校へと向かった。
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チャイムがなり、授業が始まる。
(面白くないなあ。絵を描こう!)
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ページをめくり、授業を聞いているふりをしながら絵を描く。
「ふんふふんふふーん♬」
その時だった。
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ガッ!!と足を勢いよく引っ張られる。
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「ぎゃーーーーーーーーーーっ!!!」
思わず飛び退く。
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椅子が勢いよく倒れる。
「うおいっ!北野!!なーにしてんだお前は!」
先生が私のことを呼び、みんなの視線が突き刺さる。
「いや、ご、ごめんなさーい」
顔を赤くして座り直す。
机の下を見たが、何もなかった…。
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おかしい。
家に帰り、そう呟く。
あれは間違いなく、
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手、だ。
あしをさする。
もしかすると、昨日の部屋の机のやつも、気のせいなんかじゃなかったのかも…。
急に怖くなる。
机に座りたくない。
その日は、机に座らずに寝る時まで過ごした…
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カチ
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寝る時間だ。
布団に入る。
怖い。
足を引っ張られる感覚。
足についた痣。
足を出すのが怖い。
足に布団をかける。
目を閉じる。
大丈夫だ。幽霊なんていない。
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目がさめる。
まだ夜中だ。
…暑い。
布団をかぶっていたからか、汗がたくさん出ている。
…すこしなら
足を出してもいいだろう…
足を出す。
その瞬間
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ガッ!!
shake
足を掴まれる。
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「きゃあああああああああああ」
叫びながら振り解こうとする、が、離れない。
それどころか、どんどん力が強くなる。
「イタイイタイ!!離して!!離してよ!!」
爪が食い込む。
「離せ!!なに?!わたしがなにかしたの?!早く離せよ!!きもいんだよ!!死ね!!」
恐怖を通り越してムカついた。
なんでこいつに怖がらないといけないんだ。
足を思いっきり蹴る。
ようやく離れて、ホッとしたのもつかの間。
怒りで動いていた私はそのばで気絶してしまった。
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その日から、私は足を掴まれることはなくなった。
しかし、いまでも椅子に座ったり、足を出して寝ることは苦手だ。
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また、足を掴まれるかもしれないから…
みなさんは足、引っ張られないようにしてくださいね。
作者私-2