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中編3
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ガラス瓶の金魚・3

此れは、僕が高校2年生の時の話だ。

ガラス瓶の金魚・2の続きです。

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・・・・・・・・・。

家に帰って一眠りしたが、頭痛も気怠さも全く減らなかったが、熱だけは下がっていた。

起きたのは夜中の三時過ぎ。空腹で目が覚めたのだ。

枕元を見ると、金魚が瓶の中でふよふよと浮かんでいる。魚は眠ったりしないのだろうか。

今から食事を摂る訳にもいかないし、退屈凌ぎに携帯電話を弄ってみる。

ふと金魚の方を見ると、金魚も、僕のことをじっと見ていた。単に此方を向いているだけなのだろうが・・・。

近付いて指をガラスに付けてみると、金魚はパクパクと口を動かし、また数回瞬きをした。

可愛い。

そんな愛くるしい見た目の生物でもないのに、何故だかそんな思いが沸き上がる。

優しくなれそう・・・と言うのも近いだろうか。

小動物や赤ん坊を前にした時と同じ、相手の命を自分が握っている緊張と、其れに伴う愛しさ。

魚類に感じるのは初めてだったが、久し振りに自分で飼う生き物だ・・・

ふと思い立って、金魚の育て方をネットで検索してみる。序でに、さっき気になった金魚の眠り方も。

「・・・あ。」

飼育サイトに書かれていた一文。

《金魚は目を開いたままで泳ぎながら眠ります。目を閉じようにも瞼が無いからです。勘違いをしてちょっかいを出し、ストレスを感じさせないようにしましょう。》

瞼が無い。

でも、さっき・・・。

慌ててもう一度、ガラス瓶の方を見る。

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金魚は、目を閉じて眠っていた。

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・・・・・・・・・。

休みの間、ずっと不調は続いた。

病院に行っても原因は分からず、普通の風邪薬を処方された。

あの金魚を、何回捨てようと思ったことだろう。

少なくとも普通の金魚じゃない。其れはもう確かなのだ。

なのに、僕は其の金魚を捨てられなかった。

情が移るにしたって早すぎる。斎藤に押し付けられてから、まだ三日も経っていないのだ。

僕が無類の生き物好きなら未だしも、此れは明らかに可笑しい。

其れでも、捨てられなかった。

可哀想で可愛くて、自分が守ってやらなきゃならない、という気持ちがぐるぐると胸の中で渦を巻いて、結局何も出来ない。

思い切って右手を伸ばしてみるも、今度は罪悪感が邪魔をする。

頭痛でズキズキする頭を回転させ、必死に考えようとしたが、無理だった。

せめて自然に死ぬのを待つのならば、罪悪感も消えるかと放置をしてみたが、死なない。二日では餓死は無理なのだろう。

川か何かに流そうかとも思ったが、外に出る気が起きなかった。

金魚を見ると、今日も今日とて水中に浮かんでいる。時折、瞬きをしながら。

明日は学校だ。休んでしまおうかとも思ったが、そうもいかない。薄塩とピザポに、助けを求めてみるのだ。

でも・・・・・・。

そうしたら、此の金魚はどうなるのだろう。

殺されてしまわないだろうか。

もし、そうだとしたら・・・。

逡巡している内に、愛着は強くなる。

どうすれば良いのか分からない。

横目で見た金魚が、また瞬きをして、泡を一つ吐き出した。

Concrete
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ビビりさんへ
コメントありがとうございます。

有り難う御座います!
投稿させて頂きましたので、宜しければお読みになってください。

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紫音さんへ
コメントありがとうございます。

僕が押し付けられたのは普通の赤い奴でしたよ。ネット上のそう見える奴も、出目金ではありませんでした。

まぁ、タイミングかも知れませんよ。そういうのは、何時何処で行われているかは決まっていないと思いますし。

検索しました。ねぶた・・・とは少し違いますね。あれは滝ですか?扱いは一応神輿でいいのでしょうか。
僕の町の祭りは、茶色と黒の神輿なので非常に地味何です。ああいう賑やかそうな神輿には憧れます。

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mamiさんへ
コメントありがとうございます。

思い出や愛着に縛られるのはよく有ることですよね。
一時期《断捨離》とかいうブームが訪れていましたが、僕は結構苦手だったりします。勿論ゴミとかはちゃんと捨てますが、幼稚園の頃に使っていた毛布を捨てられず、未だ愛用中です。
キッチリ出来るmamiさんが羨ましいです。

生き物に関しては、容易く捨てられる方が寧ろ駄目な気もしますけどね。例外は勿論ありますが。

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金魚最終回。楽しみに待っております!!

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紺野さん

夜店の金魚すくいによくいる金魚じゃなくて、出目金系の金魚なんですかね

地元の祭以外は行かないから、入手は皆無に近いでしょうね・・・

『山あげ祭』で検索してみて下さい。

あまり有名な祭ではないので知らないとは思うけど、一度見てみる価値はあると思いますよ(๑¯ω¯๑)

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愛着ですか…厄介ですね。
人でも、動物でも、物でも…例えば、絶対いらないぬいぐるみでも、捨てる瞬間に何かが頭をよぎってタイミングを逃す…など…よく経験したものです。
一時期、歯ブラシすら捨てれなくなってしまったので、今は『無』の精神で片付けます。
まぁ、生き物となれば、そう容易ではないでしょうが…

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まっしろさんへ
コメントありがとうございます。

ええ。有り得ないと知る前は普通に可愛らしいと思っていました。

初めて会った時から、髪型に関してはほぼ変わっていません。
理由は知っていますが、此処では長くなってしまうし、のり姉に許可も貰っていないので、後々にお話させていただきます。

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ちゃあちゃんさんへ
コメントありがとうございます。

確か、此のサイトの中にもそんな話がありましたね。
龍の子供・・・子供でも、龍には髭が生えているものなのでしょうか?

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紫音さんへ
コメントありがとうございます。

普段行かれないお祭りに行けば、斎藤みたいに入手出来るかも知れません。

目をギョロッと動かしたときに、白目の部分が見えて瞬きしているようにも見えることがあるそうです。
Googleにそれらしき画像があったので、是非検索してみてください。

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