中編4
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祖母の

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これは、高校時代の後輩の体験した話し…

怖くはないけど、不思議な話し…

ある夏の日の夜、俺の後輩のUは合コンに参加してた。

一次会を終え、さぁ次はどこに行こうかって話しになった。

友人A『なぁ、肝だめしにでも行こうや!』

U『えぇ、女の子も居ることだし辞めようや。』

友人B『そうそう、合コンで肝だめしなんて聞いたことないわ』

女の子A『私たちは別にいいよ!面白そうだし♪』

結局、ノリノリの女の子達の手前もありそれ以上反対するわけにもいかず、次の行き先は肝だめしに決定した。

向かう先は、心霊スポットとしても有名な島根県の枕木山にある廃ラブホテル。

合コンに集まった男4人、女4人でワンボックス車に乗り込み和気あいあいで目的地へ。

出発して最初の頃は良かった。

だけど、目的地に近づくにつれて女の子の1人が気分が悪いと言い出した。

車内の空気が少しずつ重くなる。

目的地に着いた時には、頭が痛いと半泣きの状態だった。

U『どうする?辞めとく?』

女の子A『せっかくここまで来たんだから、とりあえず行こうよ!』

友人A『そうそう、とりあえず体調悪かったら車で待ってればいいじゃん!すぐにかえってくるから』

そんなこんなあって、結局体調の悪くなったCちゃんと、1人だと不安だろうからということでもう1人女の子Dちゃんを車に残し、6人で廃墟に入ることに。

その時に気づけば良かったんだよね。

土曜日の夜だというのに、心霊スポットに他の誰も居ないことに…

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中に入ると、少し拍子抜け。

誰かが入って散策した形跡があちらこちらに。

まぁ、有名な心霊スポットってこんなものかなぁって感じながら探検は続行。

ある程度中を回った時だった。

2階の方から足音の様な物音が…

一同『・・・・・』

女の子『車、他に1台も停まってなかったよね?』

友達A『うん…』

女の子『ここって車で来る以外の方法って無いよね?』

友達A『うん…』

そこにいる全員が息を飲んだ瞬間、Uの携帯がなった。

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気づけば、全員が駆け出していた。

外にある車に向かって…

全員が車に乗り込み、その場を離れた。

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山中の人気のない道を抜け、幹線道路に出たところで、Uは自分の携帯電話を確認した。

着信履歴は一件…

相手は非通知…

車内は無言だった。

30分ほど走り、市街地に戻って来たところで、Uの携帯がまたなった。

今度は通知がある。

相手は公衆電話…

出てもいいものだろうか?

女の子A『ヤバいよ…、でない方がいいって…』

友人『でも、今度は公衆電話って出てるんだろ?

じゃあ大丈夫じゃないか!』

女の子C『でも、こんな時間に公衆電話から電話掛けてくる人って…』

友人『居ないよな…』

そんな会話をしてるうちに、電話が切れた…

そして、すぐにまたなり始めた…

U『とりあえず、出てみる!』

周りの制止を無視して、電話に出た…

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U『もしもし…』

??『やっと出た! あんた何やってんの?

今どこに居るの?』

U『????

かぁちゃん?』

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その電話はUのお母さんだった。

公衆電話から掛けて来た理由は、病院からだから…

母『何回も電話かけたんだよ!だけど、ずっと電源切ってたでしょ?』

U『いや、電源なんか切ってないよ!』

母『だってずっと電波の届かないどころか・・・って言うから!』

U『で、何?』

母『おばあちゃんがさっき死んだ…

急に容態が悪くなって病院からご家族は来てくださいって連絡あって。だから何回も電話したのに!』

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その後、Uは病院に送ってもらい、おばあちゃんと無言の対面をした。

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これからの事は、この話をUから聞いたときの俺との会話。

U『M先輩(俺のこと)、あのホテルの中にいるときの電話なんですけど、あれってばあちゃんがそれ以上はやめなさいって言ってたんじゃないかなって思うんですよ。』

俺『は?? ばあちゃん危篤状態だったんだろ?』

U『はい。だからなんですよ…

あの非通知のあった時間って…

ばあちゃんの死亡時刻と全く一緒なんですよね…』

俺『???』

U『いや、携帯の着信履歴の時間と、医者の死亡確認の時間が分単位で一緒なんですよ。』

俺『そうかもな…』

U『しかも、電話がかかって来て車に逃げ込んだときに、2階のベランダから女の人が覗いてたのを車で待ってた子達が見てるんですよ…

だから、それ以上進むのは危ないから辞めろってばあちゃんが止めてくれたのかなって…

僕、ばあちゃんっ子だったんで…』

俺『そうだな…

そうかもな、Uお前ばあちゃんにきちんとお礼言っときなよ!』

U『はい!そうします。』

そう言って笑ったUの後ろで、おばあさんが笑ったのが見えた気がした…

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