短編2
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理想が叶うグループ

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人には様々な夢があるだろう?

例えば、

足が速くなりたい。

顔を可愛くしたい。

背が欲しい。

彼女、彼氏が欲しい。

美人と、イケメンと性交をしたい。

これらは人類皆確実に通る道だ。

でも、叶うこともあれば、叶わないこともある。

寧ろそちらの方が多いかもしれない。

しかし、そんなことを簡単に成し遂げることができるグループがあるとしたら君はどうする。

今現在、日本には”LINE”という連絡アプリが普及している。

そのLINEの性能に、グループ制作という機能がある。

そしてここからが問題さ。

そのグループ名は”אידיאלי”。

ヘブライ語で”理想、願い”を意味する。

このグループのメンバーはたった一人だけ。

アカウント名は伏せるとしよう。

ある時、ある人にאידיאליからグループ招待が来た。

その人は何も知らずにグループへと参加した。

しかし、グループから招待が来たにも関わらずグループにいるのは自分一人、可笑しいだろ?

自分が作ったわけでもなく、グループに一人。

一体誰がグループ招待したんだということだ。

試しにスタンプを打ち込んでみる。

しかし勿論のごとく反応はない。

数日後、退会しようとそのグループを見てみると既読が”6”付いていた。

誰もいないにも関わらずにだ。

不思議に思った彼は一度文を打ってみる。

よろしくです(^ー^)ノ

すると既読がすぐに6付いた。

LINEがバグっているのか、グループに誰もいないにも関わらずに既読が付くのだ。

そして幾分か経つと、そのグループからLINEが来た。

名前主はunknown。

トップ画面も白一色である。

君は今何を望んでいるんだ。

現実はこんな丁寧な言葉じゃないかもしれない。

しかし、こんな感じの文が送られてきたのさ。

冗談交じりに彼は返す。

自分が望んでいるのは、最近ストレスが発散できないんで、高級ソープにでも行きたいですね笑

枯れるくらいまでヤり続けたいです笑笑

性欲を満たすために彼は願いを言った。

二三日後。

新聞の小さな一面にこんなニュースがあった。

都内で変死体。

栄養失調か!?

遺体発見時は裸で直前まで何者かと接触していた可能性アリ。

彼の願いは叶ったのである。

人生を枯らしてまで情欲に塗れ、性を貪った。

そして彼のLINEからそのグループは消えていた。

אידיאלי。

ヘブライ語で理想、願いを意味する。

もし君の携帯にもこのようなグループ招待が来たら決して入らないで欲しい。

尤も、君のところにも誰のところにもいかないだろう。

何故なら、

そのグループは今、私が持っているのだから。

Concrete
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