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人には様々な夢があるだろう?
例えば、
足が速くなりたい。
顔を可愛くしたい。
背が欲しい。
彼女、彼氏が欲しい。
美人と、イケメンと性交をしたい。
これらは人類皆確実に通る道だ。
でも、叶うこともあれば、叶わないこともある。
寧ろそちらの方が多いかもしれない。
しかし、そんなことを簡単に成し遂げることができるグループがあるとしたら君はどうする。
今現在、日本には”LINE”という連絡アプリが普及している。
そのLINEの性能に、グループ制作という機能がある。
そしてここからが問題さ。
そのグループ名は”אידיאלי”。
ヘブライ語で”理想、願い”を意味する。
このグループのメンバーはたった一人だけ。
アカウント名は伏せるとしよう。
ある時、ある人にאידיאליからグループ招待が来た。
その人は何も知らずにグループへと参加した。
しかし、グループから招待が来たにも関わらずグループにいるのは自分一人、可笑しいだろ?
自分が作ったわけでもなく、グループに一人。
一体誰がグループ招待したんだということだ。
試しにスタンプを打ち込んでみる。
しかし勿論のごとく反応はない。
数日後、退会しようとそのグループを見てみると既読が”6”付いていた。
誰もいないにも関わらずにだ。
不思議に思った彼は一度文を打ってみる。
よろしくです(^ー^)ノ
すると既読がすぐに6付いた。
LINEがバグっているのか、グループに誰もいないにも関わらずに既読が付くのだ。
そして幾分か経つと、そのグループからLINEが来た。
名前主はunknown。
トップ画面も白一色である。
君は今何を望んでいるんだ。
現実はこんな丁寧な言葉じゃないかもしれない。
しかし、こんな感じの文が送られてきたのさ。
冗談交じりに彼は返す。
自分が望んでいるのは、最近ストレスが発散できないんで、高級ソープにでも行きたいですね笑
枯れるくらいまでヤり続けたいです笑笑
性欲を満たすために彼は願いを言った。
二三日後。
新聞の小さな一面にこんなニュースがあった。
都内で変死体。
栄養失調か!?
遺体発見時は裸で直前まで何者かと接触していた可能性アリ。
彼の願いは叶ったのである。
人生を枯らしてまで情欲に塗れ、性を貪った。
そして彼のLINEからそのグループは消えていた。
אידיאלי。
ヘブライ語で理想、願いを意味する。
もし君の携帯にもこのようなグループ招待が来たら決して入らないで欲しい。
尤も、君のところにも誰のところにもいかないだろう。
何故なら、
そのグループは今、私が持っているのだから。
作者黒歌