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長編13
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わたしのだよ

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私には、幼稚園に通う一人の娘「花蓮(かれん)」がいます。

母一人子一人の母子家庭ですが…。

花蓮は、来年小学校へ入学する。

正直食べていくのがやっとで、ランドセルが買えるのかと思っていた。

親も他界し、頼れる身内もいない。

百貨店等で売られてるランドセルは、高過ぎて買える金額ではない。

赤色の他に、ピンク、黄色、水色とカラフルなランドセルが売ってある。

幼稚園の夏休みの時に、一度お店に行ってランドセル売り場に花蓮を連れて行った事がある。

花蓮はピンクのランドセルを手に取り「可愛いなぁ」と呟いて背中に背負っていた。

(買ってあげたいけど無理なの…)と心の中で呟いた。

夏からずっと、ランドセルの事で悩んでいた。

お金を貯めて、買おうか…。

でもギリギリで、貯金すら出来ない。

別れた旦那に、恥を忍んで頼もうか…。

色々と考えていたら、既に季節は師走を迎えていた。

そんなある日の事だった。

仕事先から自転車で帰っている時、普段は通らない商店街へ向かった。

この道が、近道だからである。

そして、商店街の外れに質屋があった。

入り口横のショウケースに、ピンクのランドセルが飾ってあった。

ショウケースを見ると、ランドセルには値札が掛けてない。

値札の代わりに、新品という紙が掛けてある。

普段だったら、質屋などには行かないのだが、この日は売られているランドセルが気になった。

私は質屋に「ごめんください」と入って、ショウケースの中のランドセルについて、店の人に尋ねる事にした。

「ショウケースのランドセルなんですが…」

私がショウケースを見ながら尋ねると…。

「あぁ、あのランドセル?買いたいのかい?」

ふくよかな60歳は超えてそうな女性の店主が、店内の奥から出てきた。

「売り物なら買いたいです。娘が来年入学するので…」

「そうかい。触ってみるかい?」

「はい。お願いできますか?」

店主はショウケースの鍵を開けて、ピンクのランドセルを手に取り私に渡してくれた。

「ありがとうございます」

私は手に取り、ランドセルを見た。

しかし、新品って変である。

中古品なら分かるのだが、何故新品なのか。

疑問に思って、聞こうとしたら店主の方から話してくれた。

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とある夫婦に、小学校に入学前の娘がいた。

夫婦は百貨店に娘と一緒行き、娘が気に入ったピンクのランドセルを買った。

しかしその後、ランドセルを買った事を知らない母親の親が、孫のためにピンクのランドセルを買って郵送で送ってくれた。

ピンクのランドセルが、二つになってしまった。

しかも、二つのランドセルは偶然に同じメーカー。

娘には、同じランドセルだし、おばあちゃん達がプレゼントしてくれたランドセルを使う事にして、自分達が買ったランドセルを質屋に持って来た。

というい経緯で、質屋のショウケースで売られる事になった。

「買うのかい?買うんだったら5000円だよ」

店主が言った金額に驚いて、持っていたランドセルを落としそうになった。

「5000円ですか?どうして…」

「リサイクル品のランドセルは、だいたい相場は決まってるんだよ。新品でも中古でも、この値段にしないと売れんのよ…」

なるほど、それもそうだ。

格安で悩んだが、ランドセルがこの質屋で売られてる理由も聞いたし、これは買うしかないと思った。

「買います!」

私は鞄から財布を取り出し、五千円札を店主に渡した。

「はいよ。箱持って来るから待ってな」

数分後、店主がランドセルの化粧箱を持って来た。

その化粧箱を見て、ランドセルの実際の売値が分かった。

有名百貨店のみで取り扱う、高級の部類に入るランドセル。

本皮仕様で、売値も50000円は超える。

それが、半額以下で買えるのだから、嬉しい限りだ!

「ありがとうございます!」

私は、店主に頭を下げて化粧箱を自転車の前籠に入れて急いて帰宅した。

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「ランドセル…売れたんだね…」

質屋の中から、店主ではない女性の声が聞こえてきた。

「あぁ売れたよ。これであの子も幸せになれるさ…」

店主は、その女性に囁いた。

「良かった…あぁ本当に良かった…」

女の子が写る遺影を持つ女性…。

これに、なんの意味があるのだろう…。

「さ…今日はもう誰も来んだろう。店を閉めようかね」

店主は、店のシャッターを閉めた。

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私は団地の駐輪場に着き、自転車を停めランドセルが入った化粧箱を手に持ち階段を駆け上がった。

(早くこのランドセルを花蓮に!)

そう考えると、花蓮の笑顔が浮かんでくる。

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ーガチャリ

家の扉を開けた。

「ただいまぁ〜」

キッチン兼ダイニングのテーブルに、化粧箱を置くと「おかえりなさい」と花蓮が寝室から出てきた。

「ただいま。花蓮、これ欲しがってたランドセルよ?」

私は花蓮に、化粧箱を渡した。

「ママありがとぉ!開けていい?」

「いいわよ」

私がそう言うと、花蓮は笑みを浮かべて、化粧箱からランドセルを取り出した。

「うわぁ〜!可愛い!ありがとぉ!ママっ!」

花蓮はランドセルをテーブルに置いて、私に飛び付いてきた。

「サンタさんが、職場に持ってきてくれたのよ」

咄嗟に嘘をついた。

「サンタさん、優しいね?お手紙書かなきゃ!」

素直な花蓮は、私の嘘を信じてサンタ宛にお礼の手紙を書いている。

”さんたさんへ。らんどせるありがとう。たいせつにつかいます”

「ママ。このお手紙、サンタさんに出して?」

覚えたてのカナ文字で、サンタに手紙を書いて私に渡した。

「手紙書いてくれたのね?サンタさん、きっと喜んでくれるわよ♪」

私は、花蓮が書いた手紙を、鞄に入れて夕食の準備に取り掛かった。

年が明け1月から忙しくなった。

花蓮の入学準備が増えたからだ。

行く予定の小学校の、入学前保護者会。

幼稚園では、卒園式に向けての歌の稽古。

2月には、教科書やお道具箱、体操服等の受け渡し。

制服の準備。

お道具箱の中の、作り物のお金や数え棒等に、名前を書く事が苦痛だった。

バタバタと、時は過ぎ…。

花蓮は、幼稚園の卒園式を待つだけとなった。

その後は、小学校の入学式。

すると、花蓮の変化に気付いた。

ランドセルを買ってから、段々とやつれている。

ふっくらしていたほっぺたも、頬がこけている。

首元も、鎖骨が浮き出ている。

全体的に、痩せたという感じ。

毎日見ていたのに、花蓮の異変に今頃気付いた。

しかし花蓮の方は、いたって普通なのだ。

病気をしている感じはしないし、元気な6歳の女の子。

そう見えた。

だけど、日に日にその痩せ方が異様に見えてきた。

極めつけは、髪の毛が抜け始め、所々白髪も目立つようになった。

花蓮は、元気いっぱいなのだが、気になった私は卒園式の前に病院へ行く事にした。

まずは、かかりつけの小児科へ…。

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「平田さんどうぞ」

看護師に呼ばれ、診察室へ。

小児科の女医が、花蓮を見た瞬間顔色が変わった。

「花蓮ちゃん!どうかした?」

女医が椅子から立ち上がり、花蓮の肩を優しく撫でている。

「どうもしてないよ?」

花蓮は、いたって普通。

いつもの花蓮なのだ。

声だけは…。

見た目だけが、前より痩せているだけ。

「最後に来たのは去年の春よね?」

カルテと花蓮を交互に見ながら…。

「体重を計ってみよっか?」

女医は、花蓮を体重計の前に立たせて、花蓮の体重を計る。

花蓮の体重は、12kgだった。

「春に比べると3kgも減ってるわねぇ…。本当だったら1〜3kgは増えてないといけないのに…」

女医の言葉を聞いて、急に不安になった。

「病気なんです…かね?」

「ここじゃ詳しい検査は無理なのよ。大きな病院に紹介状書くから…」

ササッと紹介状を書いて、それを封筒に入れ渡してくれた。

「明日にでも行った方がいいわ。今年入学だったわよね?その前に、この原因を探った方がいい」

女医は私の肩を軽く叩き「大丈夫よ。原因が分かれば治療が出来るから…」と優しく声を掛けてくれた。

そう言われても不安な気持ちは拭えず、気落ちしたまま家に戻った。

職場に事情を話し、明日もお休みを取り、明日に備えて早めに休む事にした。

次の日、朝早くから紹介状に書かれてある、総合病院へ向かった。

小児科、内科、外科、眼科、歯科、脳神経外科、心療内科と回されたが、病の原因は見付からず、原因不明だった。

原因不明だったため、そのまま帰宅。

明後日は卒園式。

取り敢えず、卒園式を済ませて、花蓮の状態に気を付けながらの生活を送った。

そして、小学校の入学式を待つだけとなった。

この頃から、花蓮の体以外にも異変が見えてきたに。

上手く言葉が出ないようになり、視力も弱くなっていた。

再び、総合病院へ診察へ行った。

しかし、最初の診察と変りなく原因不明。

しかし、上手く言葉が喋れなくなり、視力も1.5から0.5に落ちていた。

「しばらく入院させますか?」

主治医の言葉に、頷くしかなかった。

体重も減り続けて、13kgだったのが10kgまで減り、このまま体重が減り続けたら日常生活は困難になる。

背中も、終始猫背の状態になっていて、そんな風に言われたら、入院しかない。

そう思うしかなかった。

花蓮は即入院。

小学校の入学式は間に合いそうに無い為、小学校の方にも連絡を入れた。

仕事に行く前と、仕事帰りに花蓮のお見舞いに行くのが日課となった。

花蓮が居ない部屋は静かで、逆に不気味に感じて仕方なかった。

寝室の勉強机の上に、花蓮のランドセルが置いてある。

久々に見ると、ピンクだった色が少しだけ色が濃くなっているように見えた。

部屋の照明が弱いからだと、この日はそう思う事にした。

1ヶ月後、花蓮の体重も16kgまで増え、視力は戻らないものの、会話も普通に出来るようなり、退院できるまでに回復していた。

ある日の朝、花蓮のお見舞いに行った時に「ママ、ランドセル持ってきて?病室に置いときたい」と花蓮からの頼まれた。

「そうね。じゃあ今日、仕事が終わった後持ってくるわね」

花蓮にそう約束して、私は仕事に向かった。

夕方仕事を終えた私は、一旦家に戻りランドセルを花蓮が入院している病院へ持って行った。

病室へ行き、ランドセルを花蓮に渡した。

「ありがとぉ…」

そして、マジマジとランドセルを花蓮は眺めている。

そして、私の方を見てこう話した。

「ランドセル…色が変わってる…」

その言葉に、悪寒が走った。

「気のせいよ…色が変わるわけ無いでしょ?」

苦笑いで答えたが、やはり少しだけ濃くなっている。

ピンクが、少し濃いビビットピンクになったという感じ…。

「違うもん!変わってるもん!ママは分からないの?」

花蓮は興奮気味になって、過呼吸になりそのまま意識を失った。

急いでナースコールを押した。

数秒後、主治医と看護師が機材と共に病室に入って来て、私は病室の外に出された。

数分後、病室から主治医が出てきた。

「危険な状態です。もうすぐ退院だったのに、何があったんですか?」

私は、正直に話した。

昨年末に、質屋で買ったランドセルの事。

そのランドセルを手に入れてから、花蓮の様子が変わった事。

そして、ランドセルの色が変わってる事。

一通り聞いた主治医は、病室に戻りランドセルを手に取った。

そして、ランドセルを開いて奥を覗いている。

「やはりそうか…」

主治医は病室の外で待つ私に、ランドセルを渡した。

そして「このランドセル、質屋で買ったと言いましたよね?その質屋は、花房商店街の金本質屋じゃないですか?」と言ったのだ。

確かに、花房商店街の金本質屋で買ったランドセルだ。

「そうですけど…なんで知ってるんですか?」

「このランドセルは、金本質屋の孫娘のランドセルだからです!」

主治医のは、驚くべき事を口走った。

「えっ…でも…」

私は、質屋の店主から聞いた事を話した。

ランドセルが質屋で売られていた理由を…。

「そんなの作り話ですよ!」

主治医は、こう話し出した。

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金本質屋には、今から3年前6歳の孫娘がいた。

その孫娘は、小学校の入学式の前に原因不明の病に冒された。

今回の花蓮のように、身体が痩せ細り、言葉が喋れなくなり、視力も落ち原因が分からぬまま最後は呼吸が出来なくなり亡くなった。

孫娘が入院中、金本質屋の店主が孫娘の淡いブルーのランドセルを、病室に置いていた。

すると、そのランドセルは、孫娘の病状が悪化すると共に、色が変わっていった。

淡いブルーから、淡いピンクへと…。

その異変に気付いた時は、孫娘は既に手遅れの状態で、ランドセルを自宅に持ち帰った次の日、孫娘は亡くなった。

ランドセルの色の変化と、孫娘の病状悪化の関連性は定かではないが、現にこのランドセルには、孫娘の魂が宿っているのだろう。

それは、ランドセルの中を見ればわかる事だと…。

私は、ランドセルを開き奥を覗くと「わたしのだよ」という、真っ赤な文字が浮き出ていたのだ。

それに主治医は、金本質屋の孫娘の顔が浮かんでいたと…。

私は気持ち悪くなり、ランドセルを放り投げてしまった。

花蓮はランドセルを購入した後から、段々とやつれてきた。

そして、入院中に退院できるまでに回復していた。

ランドセルが近くに置いていない入院中に、体調が回復したとなると、ランドセルが原因で体調が悪くなったとしか考えられない。

ランドセルが、花蓮の生気を抜いて濃く色付いていたのだろうか。

私はランドセルを持ち、その足で花房商店街の金本質屋に行った。

金本質屋に行くと、店主がシャッターを閉める直前だったので、自転車を放り出して店主に問い詰めた。

「このランドセルの本当の経緯を教えて下さい!」

血相を変えて訴える私を見た店主は、私が何を言いに来たのか分かったかのように、私を店内へ入れてくれた。

そして、店内奥の室内へと通された。

「何かあったのかい?」

私がここに来た理由を知りながら、とぼける店主。

「何かあったのかい?じゃないでしょ!このランドセル、アンタの孫のランドセルなんでしょ!よくも…あんなランドセルを…」

機関銃のように、喋りまくった。

「落ち着きな…。確かにあのランドセルは孫が使ってたランドセルだよ。だがね?店に来た経緯はこの間アンタに話した通りなんだよ…」

「そんな作り話…信じられないわよ!娘は…あのランドセルに…生気を…生気…を…」

この続きが、涙が溢れてしまって言葉にできない。

すると襖が開いて、女性が入ってきた。

「母さん…もういいわよ」

この女性は、店主の娘。

「…………」

店主は、肩を落としうなだれた。

「ごめんなさいね。この、ランドセル…娘のランドセルなんです」

店主の娘が話してくれた経緯は…。

金本質屋の孫娘は、幼少の頃から霊体を肉体に取り入れてしまう特異体質の持ち主だった。

しかし、肉体に入り込んだ霊体を自ら取り除く事ができず、霊媒師に頼んで除霊してもらっていた。

5歳の春先。

孫娘の肉体に、子供の霊体が入り込んでしまった。

いつものように、霊媒師に除霊してもらったのだが、直ぐに孫娘の肉体に戻ってしまう。

そんな事が5回も続いた時、金本質屋に淡いブルーのランドセルが持ち込まれた。

金本質屋に持ち込まれた経緯は、店主が私に説明した通りだった。

孫娘の好きな色が淡いブルーだった為、そのまま売り物にせず孫娘のランドセルになった。

その後だった。

孫娘の肉体に繰り返し憑いていた霊体が、孫娘に憑かずランドセル憑いていたのだ。

それを知らない家族は、孫娘の異変に気付かず、入院して治療をしていたが原因不明のまま亡くなった。

孫娘が亡くなった後、霊媒師に色が変わったランドセルを見せると、ランドセルには孫娘の肉体に憑いていた霊体と、孫娘の霊体が絡み合って憑いていると…。

二体の霊体が絡み合って憑いている場合は、除霊は困難になる。

除霊ではなく、お焚き上げにするしかない。

お焚き上げをした場合、どちらかの霊体が地獄へ墜ちるそうだ。

地獄へ堕ちる霊体を霊媒師が選ぶことは出来ず、金本質屋の店主と娘は、淡いピンクに色が変わったランドセルを売り物として質屋に置いた。

しかし、ランドセルの中古品なんて、この平成の時代売れるはずもなく3年の月日が流れた。

お焚き上げをするしないで悩んでいた時、私が現れたためそのまま売ったというのだ。

二体の霊体が憑いたランドセルを、私は何も知らず購入して花蓮の元へ…。

「このランドセル返します!返金しなくていいからっ!」

私は、座っている二人に向けて、ランドセルを投げた。

「ごめんなさい」

「すまなかった」

二人して私に詫びを入れたが、許すことは出来ない。

仮に花蓮が亡くなり、三体の霊体が絡みあった後のお焚き上げは、二体目に憑いた霊体が天国へ行き、残りの二体は地獄へ墜ちるそうで、自分の孫が天国さへ行ってくれればそれで良かったんだ。

と言われた時は、この場で首を絞めて殺したくなったほどだ。

私はそのまま金本質屋を飛び出て、花蓮が入院している病室へ向かっていた。

病室へ行くと、花蓮はスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。

ナースステーションへ話を聞きに行くと、私が病室を出た後状態が安定したらしく、そのまま緊急処置を終えたらしい。

主治医にも金本質屋で聞いた事を伝えたら、ランドセルに孫娘とは別の霊体が憑いていた事に驚いていた。

「ひょっとしたら、あのランドセルの『わたしのだよ』って文字は、花蓮ちゃんに危険を知らせていたのかもしれないね。

金本さんの孫が、花蓮ちゃんを巻き込まないように…」

その言葉を聞いた私は、怒りに満ちていた気持ちがスーッと軽くなった。

主治医から聞いた話によると、亡くなる前の虫の息の時に『お家にあるランドセルを燃やして?』と呟いたらしい。

孫娘は、お焚き上げを望んでいたのだろうか。

今更知ったところで、金本質屋の孫娘は戻ってこない。

ランドセルは、別れた旦那に泣き付いて同じランドセルを買ってもらう事になった。

最初から恥を忍んで頼んでおけば、こんなに苦しまずに済んだのに…と後悔ばかりが残った苦い経験をしました。

仮に欲しい品物がリサイクルに出ていたとしても、その品物には前に使っていた人の念というモノが少なからず残っているのだと。

そう思うと、リサイクル品を買うより、新品を買って大切に使う方が幸せに繋がるのだと見を持って実感した次第です。

花蓮はその後、2週間ほどで退院でき、今は元気に小学校へ通ってます。

ランドセルの事は、秘密ですけどね。

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Concrete
コメント怖い
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10割引きだと、タダになりますよぅ

5万円→5千円なら、9割引が正解かと・・・

すみません、細かいとこ・・・

返信

すけちゃん様。
コメントありがとうございます。

母子家庭で稼ぎも少ない場合、子供の願いって叶えるの難しいと思います。
欲しい玩具など、満足に買えなかったり。
学校で必要な品々を、中古品やリサイクルで揃える人も少なくないと思います。
自分も母子家庭でしたが、玩具だけは母子手当てが入る時だけ好きなトミカを1台買ってあげてました。
そのぶん、我慢させてましたからね。

返信

中古品は怖いですね。

何があるかわからないって思っちゃいました。
子供が楽しみにしているものだけど、お金がないっていうのは切実な願いになりますね。

返信

光道進様。コメントありがとうございます。

新品の品物がリサイクルで売られていても、持主の念は少なからず残っているモノですものね。
自分も、なるべく中古品は買わないようにしてますよ。
何かが起きては困りますからね。

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mamiさん。再びコメントありがとうございます。

確かに金額ではないですよね♪
温かいコメントありがとうございます♪

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いいえ、値段や新品や…などではないはずです。
他の子と同じようにランドセルを持たせてやりたい…購入するワクワク感を味併せてやりたい…その親心だと思います。
だからこそ、そこを付け入った質屋が許せんヽ(`Д´#)ノ

次回も楽しみにしております。

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こ…これはダメだぁ(/_;)
買ってもらいたい幼子と、買ってあげたい親心…
冒頭部分で、涙が出そうでしたよ。

ハラワタ煮えくりかえるほど、質屋にはむかついたけど…そこも一つの親心…

フィクションで良かった…

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鏡水花さん。コメントありがとうございます。
お褒めのお言葉ありがとうございます。

実話ではないので、何度も何度もを手直ししました。
考えながら進めていたので、手直しが今回は半端無く多かったですね。

次回は実話のお話をUPする予定です。

完全なフィクションは、内容は考えられても、読みやすいお話にするのが難しくて疲れました(笑)

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フィクションだったのか・・・・
珍しく、結構驚いてしまった。

まさりんさんの話を読んで、基本的に使えれば、着れればいいだろ
と思い、中古品を購入してましたけど。
「激怒」でお話ししたディスプレイもそうでしたが…
確かに、以前使ってた方の念は残りますもんね

この話で、中古品も購入するのもあれかなぁ~~って思えてきました。
まぁ、何事もほどほどに…かつ、何かあればまた売れば良いかな?
とかとも、思っていますけど・・・←懲りないな

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まさりんさん こんにちは。
子どもならではの怖さがありました。
花蓮ちゃんが無事に小学校に行けてほっとしましたよ~
でもなんだか質屋の方も憎み切れないです…

また次のお話楽しみにしています!

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沙羅さん。毎回コメントありがとうございます。

フィクションです。
でも、実際にありそうで怖いなぁ〜と書いた自分でも思います。
リサイクル屋は、前の持主の情報が分かりませんもんね。
知人なら別ですが…。
自分は霊感はなくても、いわくつきの場所や物を見ると寒気がします。

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