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短編2
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葬儀屋の夢(改)

今から1年くらい前の話です

当時

極度の鬱状態になってしまい

仕事を辞めた私は

何か無いかと探していましたが

縁のあった葬儀屋の求人を見て

直ぐに連絡をして

面接を受け採用となり

次の日から勤務が始めまりました

勤務10日目に

お婆さんの御遺体を引き取り

勤務を終えて帰路に着きました

明日も朝からの仕事なので

早く食事を済ませて直ぐに寝る

死人を相手にする仕事

休みもなく、恋愛も、結婚も、子供も

全て諦めないといけないのかもしれない

生きてても死んでても

変わらない仕事

今の自分と対して変わらないと思えてきた

そんなことを考えながら

夢の中に入っていった

気がつくとそこは葬儀会場だった

だだっ広い会場の中心に

私はスーツを着て

その場にいた

目の前に祭壇があるが

辺りを見回しても誰もいない

遺影は見えない

外は真っ暗な闇に包まれている

sound:14

shake

祭壇から音がした

music:2

振り向くと

祭壇の棺が

少しずつ開いてきている

徐々に棺の暗闇が大きくなる

棺の中からゆっくりと

細いやせこけた手が出てきた

ゆっくりと手

頭が見えてきた

顔は見えない

白いモザイクがかかったように

見えない

誰だ

この人は誰だ

棺から這い出たヤツは

ドチャッと音をさせて

祭壇から落ちた

気がつくと

身体は動かない

足が動かない

焦った

よく見ると

ついさっき自分が着せた

白装束を着ていた

ズルズルとズルズルズルズルと

ゆっくりと近付いてくる

少しずつ

でも確実に

自分を目指して這ってくる

とうとう

足元まで来て足を掴まれた

顔を上げた誰かは

やはり

その日に引き取った

お婆さんだった

そのままふくらはぎ

太もも

腰と

爪を食い込ませながら

上がってくる

腰をしっかりと掴んだお婆さんが

悲痛な顔をして

叫んだ

「だったら代わってよー

代わってよー

代わってよー

代わってー

代われーーーーーーーーーー」と

次第に意識が遠くなっていった

天井を見上げ

徐々に暗くなっていく

真っ暗な闇に

「あー

それも良いかもしれない」

music:1

毎日見慣れた天井を見ていた

目が覚めて飛び起き

寝起きの一服を吸いながら

思い出していた

そういえばそうだ

御遺体の前で

1度思ってしまったから

ずっと寝てられる

2度と苦しむことはない

悲しむこともない

良いなぁと

まともに明日を信じて寝れたのが

ずいぶんと昔のことだったから

スーツを着て

またタバコに一本火を付けた

Concrete
コメント怖い
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誰もが人生を謳歌し、安らかに眠っているわけではないのですからねぇ…あちら側(棺)から見えるこちら側は、妬ましく思える場合もあるかもですね…
考えさせられました。

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HIROさん、初めまして。

お婆さんの前で、そう思ったのは失礼でしたね!

まだ、死にたくない人の前でねぇ…。

私達は今「生きて」るんだから、精一杯命を燃やさないといけません。

私事ですが、小さい時に亡くなった従姉妹と本当は私の兄妹で産まれて来るはずだった水子様、生きたくても生きれなかった人が居るので、私は「思いっきり」人生を謳歌しています!私が死ぬ時に従姉妹と水子様に会う時は「こんなにたくさん代わりに色んなことしたぜー!!すごいだろー!」と自慢します!

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