ガリガリ。

wallpaper:202

ガリガリ。。。ガリガリガリガリ。。。

ああー、もううるせぇなぁ。。。

またこんな時間にネズミか何かが騒いでるよ。。。

毎晩毎晩まったく。。。

やっぱり駆除業者に頼もうかなぁ。。。

nextpage

〜はぁ。と大きなため息をつくと、俺は寝返りを打つついでに頭からすっぽりと布団を被った。〜

ガリガリ。ガリ。

うるせえよ！！！

〜俺は起き上がって、言葉の通じるはずもないであろう見えぬ相手に向かい大声で怒鳴ると、

投げやりにボスンと布団に倒れ、目を瞑った。〜

wallpaper:151

〜俺の家は一軒家である。しかもかなり古い。

両親は数年前に事故であっけなく他界し、一人暮らしとなった。

その直後ぐらいから、屋根裏で猫だかネズミだか知らないが、

毎夜「ガリガリ」と何かを引っ掻く音がするようになった。〜

wallpaper:965

ジリリリリリ！

ちっ。もう朝じゃねーか。

〜俺は眠い目を擦りながら、モゾモゾと重い体を起こして出勤の支度をした。

トーストと目玉焼きの簡単な朝食を作ると、

インスタントコーヒーをカップに注ぎながら、

明日の休みにでも駆除業者に電話してみる事に決めた。〜

wallpaper:202

〜その日の夜。〜

nextpage

カリ。。。カリ。。。

。。。また始めやがった。。。

まぁ明日までの辛抱だろ、今日は我慢してやるよ。

ガリガリ。ガリガリ。。。。ガリ。

nextpage

ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ！！！

nextpage

！！！なんなんだよっ！ちくしょう！

バカにしやがって！！

nextpage

〜俺は仕事帰りに念の為に購入しておいた殺鼠剤と懐中電灯を乱暴に引っ掴むと、

台所の天井に取り付けられた屋根裏へと続く階段を引き下ろした。

物音でネズミが逃げたりしないように、慎重に階段を登ると、

懐中電灯で辺りを照らした。

wallpaper:580

電池が残り少ないのか、頼りない光が弱々しく屋根裏内を照らす。

ぼんやりとしか確保できない視界に目を凝らしながら、ゆっくりと屋根裏へと足を踏み入れた。〜

nextpage

ギシッ。。。ギシッ。。。

〜もうかなり古くなっているせいか、どんなに慎重に歩いても、板が軋む。

心なしか、異臭がするような気もする。〜

まさか死骸もあんのか。。。？

nextpage

〜そんな事を考えながら、なおも先へと足を進めると、数十cmほど先に、何か大きな物が見えた。

横長で、恐らく1m50~60cmくらいの大きさの物が、何か布で包まれている。

それが2つ。〜

なんだあれ。。。

〜さっき気のせいかと思った異臭は、それに近づいた今は吐き気をもよおすほどに強くなっている。

その時。〜

nextpage

ガリ。。。ガリ。。。

またあの音だ。どこだ？

どこにいやがる！

〜俺は周囲を照らしてみたが、ネズミがその辺にいるような気配はしない。

俺はまた、さっき見つけた「物」を照らし直し、恐る恐る近づいてみた。

鼻が曲がるような異臭！間違いない、異臭の出どころはこれだ！〜

nextpage

ガリガリ。。。ガリガリ。。。

！！！？

〜俺は目を疑った。

布で包まれたその物体が、「ガリガリ」と音がする度に微かに動いていたのだ。

俺はやおらその布を剥ぎとった。〜

wallpaper:585

〜そこには、腐乱が進みほとんど白骨化している「父母だったもの」が、俺に向かって這いずって来ようとしていた。〜

ガリガリ。。。ガリガリ。。。。

nextpage

そうだよ、なんで忘れていたんだ。

ガリガリ。。。

俺はあの日、両親と口論になり、

勢い余って殴り殺してしまったんじゃないか。

ガリ。。。

事故で死んだんじゃない。

ガリガリ。。。。

俺が殺して、俺が屋根裏に隠したんだ。

ガリ。。。。ガリガリ。

ネズミなんかじゃ。。。なかった。。。

nextpage

shake

wallpaper:437