エレベーター
「エレベーターの調子が最近よくないみたいなので点検を宜しくお願いします」
要件のみ書かれたFAXが出勤してきたばかりの俺のデスクに置かれていた。何処がどのように調子が悪いと言うのだ。少し呆れ気味に元請に電話で内容を確認し、早速点検に向かった。
調査した結果、少し大掛かりなエレベーターの修繕工事をしなければならない為、見積りを作成し、調査結果と共に元請に報告すると、いつもなら一ヶ月程かかる客との打ち合わせなのだが、すんなり3日程で受注する事になった。
それから半月程で工事となり、作業員の一人として俺も工事に入った。と言ってもただ指示するだけなのだが。
電気系統の故障もあり作業は3階で行い作業員は四人程で、まずはエレベーターの扉をとらなくてはならない。取るといっても中のボックスを解体しなければ扉は取れない構造なので、外した扉はロープで吊るしとく形での作業となった。
休憩中に作業員の一人が腰道具にあるはずの工具がないと騒ぎ始め、3階に置いてきたのでは?と問うと急ぎ3階に見に走った。その間俺は工具がエレベーター移動空間内部の下に落ちるかもしれんと見にいく事にした。工事始めに一階のエレベーター扉も手動で開けれるようにしていたので開けて下を確認すると…光る物を発見した。下に降りずに取れそうなので床に寝そべる形で下に手を伸ばす。
《本日、午前10時過ぎに、◯◯市◯◯区にあるマンションのエレベーターの改修工事に入っていた◯◯◯◯氏34歳が落下してきたエレベーターの扉によりが頭部を直撃し、搬送先の病院で死亡が確認されました。》
あれ?おかしいな…手を伸ばして取れる距離だったのに…目の前にあるよ
作者欲求不満
流行りに…乗ってしまった。20分で書いたので誤字凄いかも。