エレベーターの管理会社で働く俺は、とある雑居ビルのエレベーターをメンテナンスする為、現場に赴いた。
この雑居ビル、建物が相当に古いようで。エレベーターを含めあちこちがボロボロな上に、かなり薄暗く陰気臭い。。
まずは通常運転に問題がないかをチェックしようと、俺はエレベーターに乗り込んだのだが。それと同時に一人の女が乗ってきた。
だらしなく伸びきった黒髪に、やたらと白い骨ばった体。俯いた顔は前髪に隠れて見えない。。
このビルの雰囲気に似た、薄気味悪い女だった。
しかし、ビルの中に入っている会社かなにかの関係者だと思った俺は、そのまま女を乗せて扉を閉める。
『何階ですか?』
『‥‥‥。』
女は俺の問い掛けに答えない。
すると、まだ行き先階ボタンを押していないのに、エレベーターが勝手に動き出した。
(?!違う階の誰かがボタンを押したのか?)
ゴウン、ゴウン
エレベーターが上にのぼる感覚。
─ガコンッ
しかしエレベーターは四階を過ぎた当たりで、止まってしまった。
そして、ギギギギ‥と音をたてるように、ゆっくり扉が左右に開く─。
『‥着いたわ』
不意に後ろから聞こえた女の声。
後ろを振り向くが、そこには誰もいない。
ちょうど四階と五階の間であろう。
開いた扉の目の前には、古びた壁。
そのコンクリートの壁の隙間から、大量の長い髪の毛がはみ出ていた─。
ワタシハ ココニ ウメラレテイル
≪エレベーター・終≫
作者Rin
は、はじめまして!Rinと申します。
いつも皆様の素敵怖い作品を読ませて頂いていたのですが、あの『エレベーター』の流行りに乗らせて頂いて、私も初投稿してみました。。!
文才もない未熟者がいきなりの乱入、申し訳ございませんっっ
『エレベーター』というテーマ(?)をお借りして、私なりのお話を作ってみました。
誤字脱字、ご意見などありましたら、よろしくお願い致します。