wallpaper:1113
蘇州の間シリーズ(?)です。
nextpage
うちの店は、以前雇っていた若いコック二人のおかげで潰れかけ、
うちで家族ぐるみのお付き合いをしていたおじさん(以下先生)が怒り狂って全員クビを切り、
そのお詫び?として先生が母と一緒に厨房に立ち、
ホールは先生の娘とアタシと、この4人で切り盛りしていた。
nextpage
若いコックは、イカなど臭みのひどい食材の下処理を全くせず凄い臭いを放つ料理を平気で出したり、
仕入れた食材を全部腐らせてしまったり、
仕入れた食材を勝手に持ち帰り仲間と食い荒らしたり、
まぁありとあらゆる事をやりたい放題やってくれ、
そのおかげで懇意にしてくれていた大口のお得意様を全て失わせてくれた。
クビも妥当な対処である。
nextpage
話が逸れたので戻します。
蘇州の間。
以前投稿した作品で、まっくろくろすけの赤ちゃんが降ってきた部屋である。
その部屋は、勝手に入り口がしまったりちょこちょこ小さい不思議現象が起きていた。
nextpage
ある日。
ほぼ完全予約制に近いうちの店のその日は、恐ろしく暇で全く予約の入ってない日だった。
そんな日はいつも、「南京の間」でティータイムをしながら一見さんを待つ。
お姉ちゃんとアタシはクロスワードパズル、先生は新聞、母はナンクロをしながらお喋りしていた。
nextpage
先生「そういえば今日凄く嫌な夢見たんだよ。」
お姉「マジで?あーちゃん(自分をこう呼んでいた)も変な夢見たよー。」
アタシ「どんな夢ー?」
先生「蘇州の間が出てきたんだよね。」
お姉「えっ?あーちゃんも!!∑(ºロºlll)」
先生「テーブルがなくなってたんだよねー。」
お姉「えっ?もしかして、テーブルのない部屋に、人がたくさんいる夢?」
nextpage
先生「。。。うん。アンタもや。」
お姉「。。。うん。」
先生「どんな人がおった?」
お姉「真ん中に背の高くてものすごくひょろひょろした男の人が立ってて。。。」
先生「その周りに腰の曲がったお婆さんがとり囲むように正座してる夢か。」
nextpage
お姉「∑(ºロºlll)そう!マジで?パパも?」
先生「うん。ものすごく気持ちの悪い夢やった。あの男はいかん。あの部屋に住み着いてて、お祓いしても無理や。」
お姉「うん。凄い気持ち悪かった。てか怖かった。」
nextpage
※先生もお姉ちゃんも見える人で、特に先生は、何の修行もしてないのに、遠隔透視?霊視?のできる人でした。
nextpage
先生曰く、その男の人は、死神とか悪魔のような感じの存在らしく、
周りにいたお婆さん達は縛り付けられて離れられないらしい。
nextpage
6歳離れたアタシの妹は、小さい頃偉いお坊さんから、
「この子は修行すればものすごい力を得る。
修行してない今でさえ、かなり力が強いのでそういう存在からの影響を受けやすい。
もし修行させてその道に行かせるつもりがないのなら、
今のうちに目を閉じさせて(?)おいた方が良いよ」
と言われ、お寺に行って目を閉じて(?)貰ったらしいのだが、
それまでは妹もよくワケのわからない事を言っていたらしく。
nextpage
「そしゅうからくろいねこがでてきて、
そこですわってみてるから、はしったらダメだよ。
ついてきちゃうからね。」
3歳だった妹が営業中に言った言葉のひとつ。
もうひとつは、営業終了間際にギャン泣きしながら、
nextpage
shake
wallpaper:1078
「そしゅうから こわいおばあちゃんが かおだけ だしてにらんでる!!」
作者まりか
実話ですよ。。。実話。。。
アタシはこの頃はまだほとんど見えも感じもしなかったのですが、話を聞くだけでもガクブルもんでした(笑)
20年くらい前の話なので、思い出すのに一苦労です:(´◦ω◦`):