「おい、新しい餌場をみつけたぞ!」
「えっ?どこどこ?」
「ほら、あそこだ」
二羽のカラスは速度を弱め、歩道橋の縁に脚を着けた。
中華レストラン ロビンM
「あー、ここ知ってますよ。確か中国で2年間修業してきた店主が最近オープンしたお店ですよね?」
「おー、良く知ってんじゃねーか。そうそう、中々繁盛してるみたいだぜ!ここの蒸し鶏と豚足の骨が美味いんだよ」
二羽は裏口に出された生ゴミの袋を漁り始めた。
「うひょーうんめー♪♪♪ でもなんでこんなにいい餌場を俺に教えてくれたんすか?…モグモグ…」
「ああ、本当は秘密にしときたかったんだがな…モグモグ…でももし親分にバレちゃったら後々ややこしいからな…モグモグ…」
「あれ?この骨って初めて見る骨ですね。うわっ!美味い!これメッチャクチャ美味いですよ!」
「あっ?どれ?ああこれか!これは人間の骨だ!んっ?人間の骨?!」
珍しい食事に舌鼓を打つ二羽をジッと見つめる鋭い視線。
息を殺し、勝手口から静かに忍びよる中華包丁を持った店主の存在にまだ二羽は気付いていない。
「カラスの肉は美味いと聞いたが、噂は本当なのかな?…ひひ…」
翌日
ガラガラガラ
「へい、いらっしゃーい♪♪」
「よお大将!今日のおすすめは何だい?」
「あいよお客さん!お客さんはついてる!実は昨日良い肉が入ったとこなんですよー♪ 今日のおすすめは… 」
【了】
作者ロビンⓂ︎
やあ皆さんご機嫌よう♪中華レストラン店主のロビンミッシェル子です…ひひ…