部活で凝った肩を回し、夕焼けが熱くて日陰を歩く。
吸っても吸っても吸えないような息苦しい熱風に顔を顰め、湿気の籠った太股をどうにかしたくて長いスカートの端を持ってパタパタするも、元々外の湿度は98%なのだから太股付近の湿度が下がる事もなく「ああ、もう!」とうんざりした声を洩らして早く帰って着替えようと足を急がせる。
時期は夏
セミが大合唱し、足元に汗に引き寄せられた蚊がまとわりつく。
制服と皮膚が汗で張り付き、なんとも言えない拘束感を感じながら虫達にも急かされるように足を急がせて帰路につく。
いつも通りの泥に薄汚れた白い塀の横を通り、木々の合間から射し込む夕日に目を細めながら道を曲がったところで足を止めた。
オレンジ色に染まった空をバックに逆光に黒くなってる電柱とその電線でウゴウゴと蠢く黒い無数の塊。
私は一瞬何だかわからずポカンとしたがすぐにガーと塊の1部が声をあげ、理解した。
20羽程ののカラスが電線にとまってたのだ。
辺りを見渡せば屋根にも木にも駐車場にも車のボンネットにもいるいるいる。
100羽近くのカラスの大群に私は何事かと驚き、立ち尽くした。
コツン……。
微かな音がした。
見れば電線の向かい側、三階建てのアパートのベランダに1羽いて窓ガラスを突っついていた。
コツン…コツン…コツコツ
バサバサバサ
それに触発されたのか新たに電線と車のボンネットから移動した2羽のカラスが加わり、コツコツとベランダのガラスを突っつき出した。
コツコツ
コツコツコツコツ
コツコツコツコツコツコツ
コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ
何かあるのか…?
3羽のカラスが嘴でガラスを叩くのに不信感を感じた私はジッとガラスの奥のレースのカーテンを見つめた。
その時だ。
微かにレースのカーテンに人影がうつり、項の毛が総毛立つような嫌な予感がした私はたまらず踵を返して走り出した。
「〜東京都○○区○○台、△△アパートで一家が惨殺される事件がありました。長男は首を切られ、母親は腹と胸を刺されて死亡しており、警察は行方不明の父親が何か事情を知ってるのではないかと行方を追っています〜」
私が見た人影はいったい誰だっただろうか…
作者黒うさぎ
初めての投稿ですヽ(*´∀`)ノ
カラスの投稿が凄かったのでそれに便乗して中学生の頃の思い出を書いてみました。
が、怖くないですね(T^T)
文章力をもっと高めたいです。