父から聞いたお話。
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私の祖父は、私が小学生の頃に他界している。残ったものは、三味線に祖父愛用の数珠のようなブレスレットとその他諸々。三味線は私に。ブレスレットは父に渡った。祖父と言っても母方の人で、何故父に渡ったのかは今でも謎だ。
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重機関係の仕事をする父は、当たり前だが、建築現場に行く。そこでことは起きた。
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『危ない!!!!!!!!』
その言葉に反応して父は頭上から落ちてきた鉄を避けた。ただ、少し手にかすり傷を負うぐらいの傷だった。しかし、明らかに手は全体的に当たって、切断されててもおかしくなかったという。
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その代わりなのか、父が付けていたブレスレットが散らばり、骨が砕けたかのような状態だった。
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今でも父はお守りとして、残った玉で作り直したブレスレットを身につけている。
作者Faust