俺の年下の従兄弟が家に泊まりにきたときの話だ。
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その従兄弟は俺と結構年の差があるせいか、よく『お兄ちゃん』と呼んで慕っていた。
その日も、いつものように
『お兄ちゃーーん!遊ぼう!!!!!!』
と言って散々外に連れ出され、クタクタになって家に帰り、居間で夜を過ごそうとしていた。
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夜中近くまで起きていた俺は、従兄弟が階段を降りてくる音を聞き、
(また、トイレか。)
と思っていた。
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が、
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突然、居間に入ってきて俺に抱きついてきた。何事だと思い話しかけようとしたとたん、
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『ダメ。来ないでください。連れて行かないでください。お兄ちゃんは、僕の大事なお兄ちゃんです。帰ってください。…』
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お前には、何が見えているんだ?
作者Faust