俺は朝から晩までゲームにいそしんでいる。
「ええい、クソ!えいっ!」
「嘘!マジでか!信じられん!あり得んあり得んあり得ん!もー!」
「何でこんなところで力尽きるんじゃボケっ!クソハンターめ!役立たずがぁっ!」
激しく携帯ゲーム機を揺らしながら一人怒鳴っている。
すると、ゲーム機につないだイヤホンからブチっという音がした。
ゲーム画面がフリーズしていた。
「わっ!壊れたか?」
(誰がクソハンターじゃボケ・・・)
イヤホンから小さな呟き声が聞こえた。
え?俺の声?
(役立たずは操作してるお前ちゃうんけ、ごるぁ!)
はっきり聞こえた。
フリーズしたかと思っていた画面のハンターがこちらを向いて睨んでいる。
嘘だ。あり得ない。
(俺が、お前やったら、もっと上手くヤレルで?)
イヤホンから声がしたとたんに、握っていたゲーム機からバチンと火花が飛んだ。
俺は痛みで思わず手を離してひっくり返った。
次の瞬間には、俺の目の前に、火を噴く巨大なドラゴンが迫って来た。
「嘘だろう?」
俺は必死に走って逃げた。
「逃げてたらあかんやろ。ほら、戦え。」
空から大きな声が降って来た。
俺がハンターになったのかよ。ゲームの中?
マジ!ラノベみたいに異世界に飛ばされちゃったの?俺。
「俺が役立たずかどうか、俺はこっちの世界で狩りをしてくるわ。」
そう言った空に不気味な笑顔の俺が映っていた。
直後、突然辺りが真っ暗な闇に包まれた。
どうやらゲーム機の電源を切られたらしい。
ちょっと待て。俺はゲーム機に取り残されたままだし。
だいたいあいつは、俺の世界で何を狩るつもりだ。
作者よもつひらさか
モンをハンしようぜ!
お正月だからって、ゲームばかりしてたらだめですよ?
人間の集中力が持続するのが50分。そしてモンハンの一狩りが50分という奇妙な符合。