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今回は怖い話ではありません
ご了承ください
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年が明けて直ぐに
私の住んでる家から
車で20分〜30分の所
少し奥まった裏道を入り
大きなマンションのような
旅館と書いてある建物を左手に見て
港に着いて車を停める
そこから
海を横目に見ながら
神社の名前の書いてある看板を見る
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その神社が
今回の目的地だった
夜中の12時半に
なぜこんな場所へ
用があったのか
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それは夢を見たから
寒い道を歩いて
そこにいる誰かに会い
私は何かを話した
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だから
ここにきた
その夢が
リアルで
呼ばれたような気がしたから
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車を降りて
結構な距離を歩く
海風が冷たく身体に刺さる
寒い
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暗く、寒い
周りは静寂に包まれている
だからこそ
砂利道を歩く足音が
周りに響く
ザクザク
ジャリジャリ
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しばらく歩くと
後ろから
「おーーい!
どこいくんだぁー?」
と私に語りかける声が聞こえた
こんな時間に?
出来る限り静かに歩いてきた
急いで振り返るも
誰もいない
あれ?
どこにいる?
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しばらく歩く
歩いて行くと
また後ろから
「おーーい!
こっちにこーい」
とさっきより近くで
声が聞こえた
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どこにいる?
誰が?
しかし
やはり誰もいない
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ヒューーー
風が吹いている
ヒューーー
ヒューーー
「おーーい!」
また声が聞こえた
今度は自分の右方向から
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黙々と歩き民家もなくなり
明かりはない
暗い道を
手に持ったライトだけで
歩いていく
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しばらく歩くと
また
「おーーい!」
と声が聞こえた
今度は前方から
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方向が変わっている
だが
それも
夢で見た出来事と同じ
全く同じなのだ
大丈夫
私は
この先にいる
誰かと会わなくてはいけないんだ
しばらく歩くと
小さな古い神社に着いた
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誰もいない
境内に入る
特に思い当たる何かはない
なんとはなく
空を見上げていると
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「おい!」
前方に人がいた
見覚えのある顔
何気なくいつも見る
自分の顔と同じ
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そこから何かを話した
内容が思い出せない
何を話したのか
気がつくと帰り道を
泣きながら歩いていた
心には
なんとも言えない充実感があり
身体も心も軽い
憑き物が落ちたように
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記憶の片隅にあるのは
何かの重荷を渡したこと
「お前の代わりに
俺が背負う!」
そう言われた気がした
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家に帰って
私はこの話を
文字にしようとして
何日か経ったが
やはり
なんの話をしたのか
そして
なぜ泣いていたのか
私にはわからない
だが
あの空間は居心地が良かった
自分と全く同じ顔をした
あの人物はなんだったのだろうか
作者T-HIRO
地元の人や行ったことのある人は
直ぐに場所が分かってしまう
そんな場所です
何人かと何度か行って怖くて帰った場所に
夢を見て1人で奥まで行ったことも
鏡で毎日見る顔と同じ顔なのに
私にはない自信に満ちた顔は
私のもう1つの可能性だったのかもしれません
それか未来の姿なのかもしれません