短編2
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友達のA君

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私が小学校の時の話です。

私はA君と一緒によく出ると言われている廃屋に行ってみました。私は怖くて「やっぱり帰ろう」と言ったのですが、A君は「入ろう」と言って聞きません。

仕方ないので私は外で待っていることにしました。

しかし、A君はなかなか出てきません。そして日も沈みかかっていました。

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と、その時!その廃屋の中から「うぅ…うぅ…」と女の人のすすり泣く声が聞こえてきました。

2階の窓の辺りから聞こえてくるようでした。

「A君の声じゃないよな…。」

と思いながらその窓を見ていると、突然すっと誰かが姿を現しました。

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「A君か?」と思ったのですが、それは明らかにA君ではなく真っ黒…というか、どす黒い人影ががこっちを見下ろしていました。真っ黒で髪の毛とか服は全く見えなかったのですが、黒とは対照的な白い目がとても目立っており、その目は明らかに私を睨みつけていました。

私は怖くなり、全速力で家まで逃げました。

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次の日、学校に行ってみたのですがA君は来てませんでした。どうやらA君は家にも帰っていないらしいのです。

私は「昨日の廃屋にいた人物にA君は殺されてしまったのではないか?」と思いました。…しかし次の日、A君は普通に学校に来ていました。

私は安心して「なぜ昨日学校に来なかったのか」という事と「廃屋で何かあったのか」と言う事を質問しました。すると彼はこんな事を言ったのです。

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「あの廃屋に面白い子がいて友達になったんだ。外にもう一人友達が待っているって言ったら、ぜひ会いたいって言ってたよ。今度、君もあの子と遊ぼうよ。」

廃屋に子供が住んでいるわけがありません。私はすぐに、おかしいと思いました。

A君に「もうあの廃屋には行かないほうがいい」と言って、今日も遊びに行くと言っているA君を必死に止めたのですが、聞こうとしませんでした…

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そしてA君はその日から行方不明になってしまいました。

あれからもう30年も経ちますが、A君は見つかっていません。

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ただ…廃屋で男の子と女の子のバラバラの白骨死体が見つかり、廃屋の中は壁に血がたくさん染み付いていたそうです。

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男の子の白骨死体はA君だったのでしょうか?だとしたら、女の子の死体は誰なのでしょうか?

私があの時覚えてるのは、女の人のすすり泣く声と窓からこちらを睨み付けていたどす黒い謎の人物だけです。

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