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短編2
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疲れ

こないだ、凄く疲れて帰った日があったんだけど、その時の話。

その日、バイトで重いものとか運ぶ作業が永遠と続いて、体的にも精神的にも、もう疲れきってて終わる頃には大体9時ごろになってたと思う。

家からバイト先までそんなに距離がある訳じゃないから、帰るのは簡単なんだけどなにせ重たいものを運んだ後だから、足がふらふらで家に帰るのも嫌で「俺、今日ここに泊まりたいなー。」って先輩にいったら、「何言ってやがる、お前の家すぐ近くだろ。頑張って帰れ。」「えぇー。辛いなー。」って会話してから、仕方なくふらふらの足で帰ったんだよね。

で、「ただいまー」って誰もいない家に向かってつぶやくんだけどその時、なんか奥の方でうめき声みたいなのが、聞こえて「泥棒?」って。

一人暮らしだから誰もいないはずの部屋から、なにか聞こえたら真っ先に浮かぶのが、泥棒なんだけど、でも泥棒にしてはおかしい。

だって俺の家の玄関の扉ってしまる時結構大きい音が鳴るから、聞こえたら逃げるなり、静かに息を潜めるなりするはず。

けど、こう考えてる時も奥の方のうなり声は止まない。

で、決死の覚悟で近くにあった洗濯バサミ持ってって応戦しようとしたんだ(なにせ、この時凄い疲れてたから)。

それで奥の部屋の電気つけて、バッ!って構えたんだけど、そこにはタンスがあってそれ以外は何も無かったんだ。

部屋も散らかってないし、それでさっきまでのうなり声も消えてるし。

「聞き間違いかな?」って。

そしたら不意に目の前のタンスの扉が開いたんだよね。

そしたら目の前に髪の長い人が頭振りながら「出れないぃぃぃ、出してぇぇぇ」って声出しながらこっちに手を伸ばしてきて、俺の太もも掴んだんだ。

その時俺、何も考えられなくって、頭空っぽにして、とりあえず持ってた洗濯バサミそいつの手にくっつけて勢いよく扉閉めたんだけど、そこから記憶なくて、気づいたら朝になってた。

Concrete
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