短編2
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隣に住んでいる

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あなたは、子供が虐待されている様を間近で見た事がありますか??

身体に無数の痣があったり、タバコの火を押し付けられたり

熱くて、痛くて…時々、外に出されたりして…寒空の下で上着もない

でも、子供だから親しか見えないのです。もう、限界なんです。

何度も何度も家のドアを叩きながら、訳も分からなく「ごめんなさい」を繰り返し泣き叫び

何もしてないのに、こんな思いをしてる…何もしてないのに…

とある朝、隣に住んでいる私は夜勤明けでフラフラしながら家路に着くと、虐待されている隣の子供が「ごめんなさい」を繰り返しながら、ドアの前にドアを背にしながら地べたに座っていました。

慌てて駆け寄り、その子を保護しようとしたらその子に「ママは僕が悪い子だから殴ったりタバコの火を押しつるの。良い子になりたいんだ。どうしたらなれるの??」って震えながらしがみつきました。

私は子供が好きなので、抱きしめながら「もう怖がらないで良いよ。今日はお姉ちゃんと遊ぼう」と言いました。

私は、その日は1日お休みだったので、その子を家に招き入れて保護しました。

部屋に入り、取り敢えず児童相談所に電話する事にしました。…が、その子は嫌がります。「ママは悪者になっちゃうの??僕が悪い子だからしょうがないの…ママを いじめないで」

そのあと、その子は気を失いました。

暫く寝かせようと思い、優しく抱き抱えてベットに運びました。

寝てるのを見計らい児童相談所に電話しました。電話している最中です!!!

ピーンポーン

「あのー、田中です。202号室の…」

隣に住んでいる子供の母親だった!!!

最初は穏やかだったのに、段々荒れ始め警察を呼びました。

「隣に住んでいる田中ですけど、いるんでしょ??」

ドンドンドンドン

「オイコラテメェーよぉ〜!!居留守使ってんじゃねーぞ!!」

隣に住んでいる母親は、ついにバーベルでドアを破壊してきました。

警察官が到着するまでの12分間がても長く感じて、私まで泣きそうでした。

母親は、何かに取り憑かれているようななんとも言えない狂乱っぷりでした。

警察官が来た頃には、母親が鋭利な刃物を隠し持っていたらしいです。

ある程度の事情聴取を受けた私は、警察の方から盗聴器が発見された事を知らされました。

その後、その子供は児童施設に入れられその施設で育ちある程度大人になった時に、施設から抜け出し行方が分からなくなりました。それから半年が過ぎて、新聞を読みながら朝食をしていると連続殺人の見出しがデカデカと載っていて、犯人の顔が掲載されていました。

次の瞬間、私は背筋が凍りました。犯人の名前が『田中圭吾(仮名)19歳』とありました。

隣に住んでいた圭くんでした。

やり切れないなんとも言えない複雑な気持ちになりました。

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