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誰だったか、まだ小さい頃、親戚の家に預けられていた時の話だという。
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その頃、沢山の人が亡くなった大きな事故があった。
伯父が読んでいる新聞を脇から覗くと、犠牲者の顔写真が並んでいた。
その中に、奇妙な写真が紛れ込んでいた。
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普通報道に使うのは、免許証や卒業アルバムの写真など、ちゃんとした「普通の顔の写真」のはずだ。
だがその写真に写った人物は、およそ普通の様子ではなかった。
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髪を振り乱した頭、血糊のような黒い液体が流れる頬、うつろな目。
まるで今事故の現場から抜け出して来たかのような有様の顔写真だった。
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気味が悪いと思いながらも、伯父が新聞をめくったので良く見ることは出来ず、
その写真を別の報道で再び見ることも無かった。
「多分夢だったんだよ」
そう言って話を終えたと記憶している。
作者むじなあな
聞いた話です。