昨年の夏くらいから、だっただろうか。
「聖書に興味はありますか?」
【目覚めよ!】という小冊子を手にした2人組みの女性が、我が家に訪ねて来るようになったのは。
私は土日祝祭日を中心に、ヴァイオリン講師の仕事をしていて、平日はほとんど家にいる。
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老人ホームや幼稚園、結婚披露宴や学校行事等にも演奏に行くので、全ての平日に在宅しているわけではないが、なぜかこの2人組みは私の在宅中に必ず来る。
…そこが、ちょっと不思議。
元々、聖書やら神話を読むのが好きなので、訪問されても苦ではない。
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訪問してきた2人が何を話すのかと言うと、人間としての基礎的なもの…『人を殺すなかれ』『略奪するなかれ』『貶めるなかれ』等々、当たり前だろってことを含めて『人生ポジティブが一番』『財布を拾ったら届けた方がいいに決まってる』等、他愛のない話である。
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入信するわけでもないが、2人は話して満足すると帰っていく。
本人達は、それでいいらしい。
話は聖書の言葉を引用したりするので、なかなか面白かったりもする。
ただ…、皆さんも知っていらっしゃるとは思うが問題の多い団体でもあるのが、このエホバの証人。
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過去には輸血拒否で我が子を死なせた事件だとか、折檻の末に子を死なせた事件とか、寄付金横領事件だとか、オウムほどではないにしろ、痛ましい事件は存在する。
それに、調べれば調べるほど内部はハチャメチャ。
不倫は罪だとか説きつつも、信者の上役である長老が不倫してたり。
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血は摂取しちゃいけないとか言いながら、肉は焼いちゃえば大丈夫とか魚は血が少ないから血抜きしない、とか矛盾だらけ。
極め付けは、聖書の教えがしょっちゅう改訂されていること。
彼らは『新訳世界聖書』なる独自の聖書を使っている。
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カトリックの一端としているが、カトリックからは異端視され、カルトとまで言われているのだ。
ハルマゲドンを重要視するあたり、カルトと呼ばれても仕方ないのかもしれないが、教えを改訂しまくるのは信用に欠けるというものだろう。
その教え、というのも「やれやれ」と思ってしまうものばかり。
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・人は死ぬと消滅する(=輪廻転生は無い)
・キリストは「神の子」であって「神そのもの」ではない
・この世の唯一絶対神はエホバである
・ハルマゲドンの際にはエホバの証人の中でも洗礼を受けた144千人しか助からない
・神の意に沿わぬ者は排斥される
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表向きは「他宗教を敬う」と言ってるが、自分達以外の宗教は邪教としている。
…なんとも夢も希望もない教えだと思わないだろうか?
輪廻転生が無いとか、いくら善人でもエホバの証人でありかつ洗礼を受けた者じゃないとハルマゲドンで助からないとか、臭いものに蓋をするように教団にとって都合の悪い者は排斥するとか…。
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それでも彼らが布教活動をするのは、やはりそこに【洗脳】なるものがあるからでないのか…。
現に、エホバの証人から脱退した人達のカウンセリング専門窓口まである。
親がエホバの証人だと、その子供は鬱病に罹患したり自殺する率が増えるとのこと。
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エホバという神が本当に存在するなら、自身が作った人間達を死なせるような教えはしないと思う。
それができるのは、それこそ悪魔の所業だ。
ハルマゲドンの予言を外しまくっているが、新しく入信した者には古い予言は教えないらしい。
この辺が、ご都合主義と言われる所以か。
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それでも世界には、たくさんのエホバの証人がいる。
客観的に見ると「おかしいだろ」と思う教えが満載なのに世界中に信者がいると思うと、それだけでなんだか怖い。
信仰の自由があるので、どんな神を拝もうが人それぞれだが…。
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「ヴァイオリニストだなんて、素敵!」
ニコニコしながら言う2人組みを見てると、私の中ではいろんな葛藤がおこる。
基本、否定されると全て「悪魔が邪魔をした」と捉える教団であるので、バカバカしくて否定する気にもなれない。
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今のところ実害のようなものはないし、話をしてスッキリすると帰って行くのもあって、話をするだけなら楽しいので月1の訪問もウザいとか思ったことはない。
旧約聖書を読んだことのある者なら、彼らの教えの矛盾が次々と出てくるのでアラ探しというと言葉は悪いかもしれないが、調べてみるのも楽しい。
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ちなみに、剣道や柔道は『暴力』に分類されるので禁止だそうだ。
…私には剣道も柔道もスポーツだろ、としか思えないが…。
エホバの証人、調べれば調べるほど摩訶不思議。
そういう意味では、退屈しないかもしれない。
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ただ…、痛ましい事件はもう起こさないでほしいものである。
特に、何の罪もない子供が犠牲になるのは神の教え云々の前に親としてあってはならないことだろう。
人間ですら他所の子が怖い目に遭っただけでも心を痛めるのに、神がそれを良しとするわけがない。
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創始者のラッセル氏は、どんな意図でエホバの証人を開いたのかは知らないが、本来、純粋なものであるはずの神の教えは確実に歪曲されていってるよ!
とラッセル氏に教えてやりたいと思うのは、私だけではないはず…。
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エホバの証人といいオウムといい、果てはイスラム国といい、宗教は捉え方1つで怖しい集団になるのですね。
…今月は、どんな話を持ってきてくれるのだろうか…あの2人。
[おわり]
作者ゼロ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
エホバの証人って駅前とかで突っ立ってるだけかと思ったら、訪問まであるのは昨年の2人組みの訪問で知りました。
ちなみに近所には、王国会館なるものがあります。
エホバの証人はまだ100年くらいの浅い歴史だそうで、彼らの言うところの邪教である本家のカトリックがなぜ2000年も野放しになって発展したのかというと、世界の終わりにエホバが降臨し、この神こそが唯一絶対なのだと確信付けるため、なのだとか…。
…私には理解不能です。(笑)