短編2
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謎のおっさん

昔の頃の話ですが。

俺の小学校には、授業の3時間目ぐらいに、校門に現れる通称「あきちん」と呼ばれている

黒い帽子にジャージを来た謎のおっさんがいた。ソイツは必ずその時間になると、

校門で何故か踊っている。しかも毎回同じ踊りで、毎回同じ場所。

手を上下に振りながら首をめちゃくちゃ振ってる。先生達も知っていたが最初小学校に入ったときは

皆で楽しんで見ていたんだが、そのうち慣れて、皆も気にしなくなってきた頃。

俺は皆となわとびで遊んでいた。当時はリズムなわとびと言って、ラジオで

なわとびを飛んでさらに上級を目指すというのが流行っていたんだ。

そんで肝心のなわとびを学校に忘れた。土日だったので、先生は一人しかおらず、

先生と教室に入って、なわとびを取る際、外をみたら、何故か校庭にあきちんがいた。

いつもの校門では無く。

そしたら、あきちんと目があってしまった。初めて顔を見た瞬間身震いした。

何故なら、顔が真横になっているからである。

その瞬間あきちんが思いっきり走って俺達がいる校舎に向かって来た

が、考えると、先生が俺を校舎に入れたとき、校舎の玄関の鍵

は空けた状態だった。

小学生だった為、腰を抜かした俺は先生にすがりついた。

先生もびっくりしたらしく、すぐさま近くにあったデカイ先生用の1M定規を持って

廊下を出て、階段を下りた。すると、バタバタと階段を上ってくる足音が聞こえた。

「隠れていろ・・・」と言われたので、壁際に急いで隠れた。

あきちんを待つ先生の姿はヒーローそのものだった。

「○○! 俺が良いっていうまで、そこから動くんじゃねぇぞ!」と、言われ、

先生の神々しさにドキドキしていた。足音もバタバタしなくなって数分経ったが何も気配が無い。

階段を覗くと先生も、バタバタする足音も無かった。

と、その瞬間「○○、もう出てきて良いぞ」と聞こえた。

しかし先生の声では無い。急に期待から一気に恐怖に変わった。

数分間その場で恐怖で震えていたが、今すぐここを出たいという気持ちと、

あの声の恐怖が入り混じった。ついに決心した俺は階段まで一気に走った。

すると、廊下からバタバタ足音が追いかけてきた。

もう怖くて怖くてとにかく走った。もう無我夢中で。

玄関を出てすぐ校門まで走ると、もう足音はうしろから聞こえてこなかった。

ぐしょぐしょに泣きながら校舎を見ると、俺の覗いた教室から先生とあきちんが

顔を出していた。

後日、その先生は職員室にいた。

それ以来もう先生と話すことも出来ず、顔も会わせるのが嫌だった。

先生はその事件いらい一週間で教師をやめてどこか行ってしまった。

あきちんもそれ以来見ていない。

もうあの事を思い出したくない。色々謎が多すぎる

またあのあきちんの顔を思い出すと背筋が凍る。こっちに来るような気がして・・・

Concrete
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こういう謎のおじさん、地域には一人はいましたよね。

背筋が寒くなりました。

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